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Chthonic 「Defenders of Bú-Tik Palace」

自分は元々新譜というものは、本当に好きな数少ないバンドのものしか買わない。
まだまだ自分には聴かなくてはいけない歴史的なアルバムというものが沢山あるし、
ある程度評価が固まったアルバムを聴く方が外れを引く可能性も小さいと思っているからである。

金のなかった若かりし頃、音楽を自由に聴ける時間が減った社会人生活の今、
いずれの立場においても、それは合理的な選択であり、それは間違った行為だとも思っていないし、
実際それで数多くの素晴らしい音楽との出会いがあった。

そういった合理主義者である自分にとっても、
例えどんな内容であろうとも、絶対にニューアルバムは
発売日に即買いすると決めていたバンドがあった。

今自分がヘヴィメタルとカテゴライズされるバンドの中で最も好きだと言えるバンド。
メタルの枠を超えても、少なくとも5本の指に入ると思える大好きなバンド。

かつて伊藤政則氏がJudas Priestの『Stained Class』のライナーでこんなことを言っていた。

ジューダスプリーストよ、僕は歩兵でいい。喜んで最前線に切り込んで行こう。
今更遠慮てするなよ。かまうことはない、
この僕の体を踏み越えて、さあ栄光の王冠を握ってくれ。
君たちの栄光は僕の誇りでもあるのだから。もう僕は君たちにこの身の全てを委ねた。

勿論自分なんかとは立場も関係の深さもレベルが数100倍は違うんだろうけど、
でもこの文章のバンド名をそのまま置き換えてしまいたいバンド。

僕にとってそんなバンド、Chthonicのニューアルバム『Bu-Tik』を今日聴いた。

このアルバムに関しては一切情報を絶っていて、
ストーリーも世界観もアルバム制作における諸々なんかも一切分からない。
当然先行音源も聴いていないし、PVも見ていない。

ひょっとしたら色々と理解していくうちに感想は変わるんだろうけど、
発売日当日、正にその時の自分の感想を書き留めておくことに意味があると思うので、
書いておくことにする。


アルバムのジャケットはデジパック仕様での質感の影響はあるにせよ、
今までのアルバムとは異なり、非常にすっきりとしたデザインとの印象を受けた。
モデルの女性の肌の白さ、髪の白さが、
メタルといえば黒、という観念が刷り込まれた自分の目には新鮮に映る。

表ジャケには刀とロボットアームみたいな武器を装着した裸の女性。
裏ジャケには顔に機械が繋がれた、肩を露出してこれまた裸に思える老人。
そして中ジャケには全裸の赤子。

ジャケットに映る人々はみんな裸。その点がまず目についた。
どんな意味が込められたものなのか。

イントロの「Arising Armament」。
ほら貝のような音色で始まり、これまで以上に打楽器を前面に押し出したインスト。
アルバムのツアーではライブ前のSEになるんだろうけど、
今まで同様に気分を高揚させること間違いなしの曲。

続いて「Supreme Pain for the Tyrant」がスタート。
いつも通りに叙情的なギターとキーボードの音が印象的な曲。
でもボーカルが入ると共にギターリフとリズムがめまぐるしく展開していく。

個々のパートを取ってみれば分かりやすいんだけど、
そんな目まぐるしい展開ってのが、何気に今までにないタイプの曲だと思ったり。
ジェシーのギターソロはアクセント程度で難しいこと一切やってないんだけど、
凄くインパクトがある。

終盤にかけては民族楽器もふんだんに盛り込まれ、怒涛の展開。
いきなりの名曲。即効性は低いかもしれないけど、
自分にとっては非常にインパクトのある楽曲だった。

「Sail into the Sunset’s Fire」はツインギターのリフが印象的な、
非常に勇ましい男臭い曲。ライナーにヴァイキングメタル風とあったけど、
自分も同じ印象を受けた。でも決して単純なそれにはならず、なぜか台湾っぽいというか、
不思議と彼らがやると、土着的な台湾風の曲に聴こえてしまうんだから不思議。

フレディの歌がサビのところは、かなり歌っているように聴こえる。
いつも通りのガナリ声なのに。あの勇ましいキーボードのフレーズと共に。

「Next Republic」はイントロのギターフレーズがいきなりかっこいい。
続いてのリフがこれまたかっこいい。歌が入ってからもまたかっこいい。
かなりヘヴィでアグレッシブなんだけど、メロディの洪水。

でも雰囲気は一変して、いかにもモッシュ起こって、
ヘドバン起こってというライブの風景が目に浮かぶような展開。
このアルバムの楽曲、前作以上にアグレッシブなんだけど、
盛り込まれているメロディの量が前作よりも増えているように思える。

この点、ひょっとしたら賛否あるかもしれないけど、自分にとっては明らかに「賛」。
初聴のとき、4曲目の段階であまりのかっこ良さに感激すら覚えてしまった。

雰囲気は一転してバグパイプ調の音色で始まる「Rage of my Sword」。
どんな楽器使ってるんだろう。でもこの曲は実際相当にアグレッシブ。
今作はブラストないのかなとも思ってたけど、やっぱ入ってきた。短いけど。

この曲もフレディの歌唱が素晴らしい。前作も悲哀の表現という点では聴き所満載だったけど、
今作は更にスケールアップした印象。
きっと曲に込めた「想い」が彼を突き動かしているんだろうなと想像する。
ここら辺はもっと歌詞世界に入り込めば、また色々と解き明かせるのかもしれない。

ジェシーのギターがここでもかなり躍動している。ジェシーいいよー。

そして「Between Silence and Death」へ。
初聴で最もインパクトあった曲がこれだった。めちゃめちゃかっこいい。
ギターリフに関しては旧作の質感に近いんだけど、叙情的なサビのパートが本当に素晴らしい。

言葉では上手く言えないけど、一線を越えた美しさ。
シンフォニックブラックの叙情性に、彼ら特有の台湾テイストが融合し、
彼らにしか為しえない音楽の域に到達したかのよう。

ラストのパートではジェシーのギターが泣いている。
本当に彼はプレイヤーとして一皮も二皮も剥けた。
叙情的でありながら、そことなく明るさも感じられる音の選び方が本当に素晴らしい。

勿論バックの演奏もその叙情性の発現に対して、大いなる貢献をしている。
全ての楽器が渾然一体となった本当に素晴らしいドラマチックな展開。
アルバムのハイライトと言える超名曲。

そしてまた繰り広げられるアグレッシブな「Resurrection Pyre」。
音の壁が非常に濃密。そしてリズムパターンがめまぐるしく変わる曲なんだけど、
嫌らしさを感じさせずにさらっと聞かせてしまうのが彼らの真骨頂といったところ。

ジェシーのギターソロがこの曲もかなりかっこいい。
チョーキングを駆使していて、ちょっと今までとは違うソロの組み立て方をしているように思う。
ラストの合唱、そしてバックの音も相当に色々と重ねられていて、
正にクライマックスといった雰囲気を作り上げていく。

「Set Fire to the Island」は3月の来日公演にて演奏されていた曲。
当たり前のようにかっこ良かったんだけど、アルバムだとどんな風に聴けるのか楽しみにしていた。

作り込まれていると感じるこのアルバムの楽曲だけど、
この曲はその中でも最もストレートで分かりやすい曲のように思える。
ジェシーのギターがここでも大活躍。ジェシーのことばっか書いてる気がするけど、
実際そう感じるんだから仕方が無い。ギターソロは本当に素晴らしい。

ラストの女性ボーカル入ってくるパートにはゾクっと来た。

あっという間に実質ラストの「Defenders of Butek Palace」へ。
これもアグレッシブな楽曲。てか今回のアルバム、力で押し切る内容。一気に駆け抜ける。
完全再現なんてやられたら死んでしまうんじゃないの?

こういう音楽って、同じような曲調ですぐ飽きるアルバムってのが多いけど、
このアルバムは全然飽きがこない。色々な楽器の音が詰め込まれているからのように思う。

でもそれが決して過剰には聴こえない。
そのからくりについてはもう少し聴き込んでみて明らかにしていこうと思うけど、
でもこのアレンジのクオリティは凄いと思うよ、ほんとに。

ラストのフレディの絶叫はこれまた凄まじい。
女性ボーカル入ってきてからの展開がまたかっこいい。

アルバムのラストを締めくくるにふさわしい名曲。
てか今回のアルバム名曲だらけじゃん!

アウトロとして「Undying Rearmament」が挿入されて、終了。
ライナーにも書いてあったけど、これがイントロになっても確かにいける。
アウトロがループになってと。なるほど。

歴史は繰り返される。
凄く稚拙な書き方になるけど、人間の本質を追求したとき、
直面する出来事は、それである。

もっとこのアルバムのことを理解していく鍵として、
この点はしっかり押さえておかないとなと思う。


『Bu-Tik』を初め聴いていたとき、段々と自分の中に感激の気持ちが沸いてきた。
ここまで自分の期待に応えてくれたニューアルバムって、久しく出会ってなかったような気がする。
2000年代のアルバムには少なくとも感じたことなかったような気がするから(事後はあるけど)、
かなり貴重な体験をさせてくれたような気がする。

勿論、Chthonicのことが好きだから、余計なバイアスがかかっているのは承知している。
でも、明らかにこのアルバムは名盤だと思う。
彼らにしか作りえない、世界に通用するアルバムを彼らは作り上げた。

『Takasago Army』がリリースされたとき、当時僕は決して熱狂的なファンではなかった。
そのせいもあることは否めないけど、
僕はこのアルバムに「期待通りの出来栄えではあれど、期待以上ではなかった」
という感想を抱いている。当時書いてたブログに、はっきりとそう書いてある。

そうとはいえ、『Takasago Army』は、アルバムの中のストーリーにどっぷりと浸かって、
そしてライブでの体験を経ていく中で、自分の中での名盤という評価は固まっていった。

でも『Bu-Tik』の場合は、一発目から、これは凄い、これは凄いって、
明らかに気分を高揚させるものがあった。微妙な曲なんて一つもない。
全ての曲に自分は引き込まれてしまった。

自分がメタルに求めるもの全てがこのアルバムに詰まっているような気がする。
俺はきっとこんなメタルが聴きたかったんだろうな。

BURRN流に点数付けるなら99点。
感想が異なる人には申し訳ないですとしか言えないけど。

あと、普段日本盤なんて買わないんだけど、
『Bu-Tik』は絶対に日本盤買った方がいいです。

前田岳彦氏渾身のライナーノーツ。『Bu-Tik』を理解するのに、
絶対に助けになること間違いなしですね。
正直前田氏はもっと書きたかったんだろうなーという思いがひしひしと伝わります。
こういうライナー書いてくれるなら自分ももっと日本盤買うんだけどな。


アルバムの感想書いていて、
どうしてもジェシーとフレディのことばかり書いてしまったけど(好きなので)、
決して他のメンバーの演奏が微妙かというと決してそうではなくて、
ドリスもダニもCJもそれぞれも明らかにレベルアップしている。

ドリスとダニは本当にいいリズム隊になったなーと思う。
リズムに関しては、別に超絶フレーズ入れるようになった訳ではないけど、
明らかに前作よりも色々なことをやっているし、より切れ味が増して鋭利になった感じ。

音質面の向上って側面も大きいと思うけど、
リズム楽器がよりメロディアスに聴こえるようになったと思えるし。
中~高音域のベースの音はかなり好みだなあ。


とりあえず勢いに任せて感想を書いてみた。
稚拙ではあるけど、自分はプロではないし、これでいい。
本当にいいアルバム作ってくれて良かった。

それではアルバム4周目を聴くことにしよう。

早くライブでこのアルバムの曲聴きたいなー。
メンバーにもまた会いたいなー。


B00C1P3IC4Butik 武徳
ソニック
ハウリング・ブル・エンター 2013-05-29

by G-Tools



Chthonic「Defenders of Bú-Tik Palace」
初めてPV見たけど、何か格ゲーみたいだなw CJ強すぎだろ。
かっこいいけど、やっぱり単品よりアルバム通して聴いた方がかっこいいと思った。

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

ChthoniC 「KAORU」

映画『セデック・バレ』を観てきた。
http://www.u-picc.com/seediqbale/about.html

1930年に起きた台湾原住民による抗日暴動事件の霧社事件を描いた、台湾の映画。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%A7%E7%A4%BE%E4%BA%8B%E4%BB%B6

結論から言うと、凄く面白かった。
決して自分は映画を多く観るタイプではないにせよ、これまで観てきた映画の中では、
トップレベルの感銘を受けたような気がする。

基本的には史実に基づいたストーリーで、
セデック族を支配する日本警察は悪者として描かれている。
この面においては、短絡的な見方をすれば「反日」映画として捉える人もいるのかもしれない。

でも監督が明確に否定している通り、決してこの映画は反日映画ではない。
監督のインタビューにおける下記の言葉がそれを物語っているし、
実際に映画を見ればそれが理解できるはず。

「他者の価値観や信仰を否定した時、衝突が起きる。
 映画には完全な善人、完全な悪人は出てこない。絶対的に良い文化などない。
 異なる価値観を認め、真摯に向き合った時、互いを理解できるのではないか」

http://topics.jp.msn.com/entertainment/china/article.aspx?articleid=1793596

安藤政信演じる小島源治は、家族が殺されるまでは
台湾人からも信頼される善人として描かれていたし、
台湾守備隊司令官の鎌田弥彦は当初こそ原住民をバカにした態度を取っていたが、
闘いの中で彼らに感銘を受け、武士道の精神を引き合いに出すほどの理解を示すようになる。

決して二元論的な善悪の観点で、全ての日本人を悪人として描くのではなく、
バランスを取って描ききろうとする配慮が感じられた。
安藤政信、木村祐一は台湾でも人気みたいで、彼らを起用した狙いも、
日本人=悪という観念を直感的に抱かせないためという狙いがあったらしい。

マヘボ社と対立するトンバラ社はセデック族という台湾原住民でありながら、
日本人と組み、鎮圧側に回る訳だけど、決して悪者として描いてはいない。
頭目の苦悩がしっかりと映画の中で描かれていて、
裏切り者というレッテル付けを拒否するかのような配慮が見られる。

自分はこういう歴史の描き方が好きだ。

歴史における事実は一つしかない。起こった出来事は一つだけである。
そこに対して、どのような評価を行うかが千差万別となる。

個人的な印象だけど、例えばアメリカ映画なんかは、
善悪をはっきりさせて歴史を解釈する傾向があるように思うし、
某近国などは、日本=悪という描き方が刷り込まれているように思える。

そんな中で、出来るだけ善悪の評価付けを回避し、
ありのままに歴史を描こうと配慮したこの映画が、
自分にとっては日本人的にも思えて、凄くしっくりくるように思えた。

勿論英雄的側面を強調するために、戦闘においてセデック族がある意味無双的に描かれ、
史実と異なっている点があるなど、非難されるべき点があるのは事実。

日本側の死者は兵士22人、警察官6人である一方で、
セデック族側の死者は自殺者含めて700人ほどとされているが、
映画の中では明らかに日本側の方が被害が甚大であるかのように描かれている。

でも、自分にとってはそんなことはどうでも良いと思えた。
先に述べたような歴史の描き方が自分にとってしっくりときていたということもあるし、
単純に戦力的には劣勢なセデック族側が、圧倒的戦力に立ち向かっていく姿は、
民族の壁を越えて痛快に感じられたという点が大きい。

自分はこの映画を観て、日本と台湾の信頼関係がなければ、作れない映画だと思った。

歴史的な事件の映画化は、その事件が近代であればあるほど、物議を醸すように思う。
描き方によっては、最悪外交問題に発展しかねない。

でも幸いにして、台湾と日本は現在凄く良好な関係にある。
短絡的に「反日」と捉えられかねない題材であっても、
日本相手ならばきっと作品として受け入れてくれるであろうこと。

その信頼感があるからこそ、監督はこの映画を制作出来たんだと思うし、
日本上映を望んだんだと思う。

それでも監督は日本での評価に凄くナーバスになっていたようだけど。
映画館での挨拶で、この映画での描き方が
日本の人々に受け入れられるか心配しているって言ってたし。

少なくとも映画館で一緒にこの映画を見た人達は、明らかに監督の意図を理解し、
『セデック・バレ』という映画を受け入れていた。

第一部、第二部ともにエンドロールが終わるまで立ち去る人なんで一人くらいだったし、
終演後にはグッズ売り場や監督の周りには人だかりが出来てたし、
人々の話し声に耳を傾けていても、映画を賞賛する声が全てだった。

とにかく素晴らしい映画。
各々のシーンを取り上げて感想を綴っていたら、ブログの記事が5本くらい書けそうな感じ。

ネタバレは良くないから詳細は書かないけど、
日本警察として登用されたセデック族の若者、花岡一郎、二郎が
台湾人と日本人の狭間に立ったが故の苦悩、
そしてセデック族の女達の「強さ」には、涙が出そうな切なさがあった。

難しい話は抜きにしても、ストーリーは凄く面白く、
あっという間に物語に引き込まれてしまう強い力を持った映画。
合計4時間36分という超大作だけど、あっという間に時間が過ぎていく。

本当に多くの人達に観てもらいたいと心から思える映画。
決して賞賛ばかりではないだろうけど、絶対に各々の心に響くものがあるはず。

歴史の中に、自国と交わった他国の歴史の中に、
未来の自国が進むべき道を見出すことが出来るような、そんな映画。

ちなみに、映画を見終わった後に、配給会社の社長さんと話す機会があった。

台湾で『セデック・バレ』が公開されたのが2011年で、日本で公開されたのが2013年。
これだけ間が空いた理由について聞いてみたんだけど、
やっぱり映画館側との調整に時間がかかったんだと言っていた。

監督含め配給側はとにかく4時間36分の完全版の公開にこだわっていたんだけど、
大手シネコンなど、完全版の公開は認めない映画館が多く、
上映の交渉が長引いたことがその主要因になったと言っていた。

同時に日本も当事者になっている事件を描いているという政治的なデリケートさも、
少なからず影響したということも言っていた。

こういった映画こそ多くの日本人に触れてほしいのに、
このような現実があることは、やっぱりちょっと寂しい。

日本の映画界に関しても、もっと『セデック・バレ』のような、
人間の本質をえぐるようなスケールの大きな映画が生まれないことが残念だと言っていた。
そんな映画にお金が出ないから仕方ないんだけど、と。

ま、配給会社の人はでも、こういう状況を変えられるように頑張りたいと、
力強く語ってくれたわけなんだけど。
彼の想いが届いて『セデック・バレ』がヒットすることを祈ってやまない。


元々この映画を観たのもやっぱりChthonicというバンドがきっかけであることは間違いない。
『Seediq Bale』と正に『セデック・バレ』を描いたアルバムを作っているくらい、
台湾の歴史を自らの音楽に描いているバンド。

ちなみに、『Takasago Army』は武装蜂起を起こしたセデック族含めた
台湾原住民により構成された高砂義勇軍を描いたコンセプトアルバム。
『セデック・バレ』を観てからこのアルバムを聞き直すと、
なんかまた違った世界が自分の前に現れるようで面白い。

Chthonicファンの方はやっぱりこの映画は観るべきですよー。


B0055542XGTakasago Army
Chthonic
Fontana Universal 2011-09-06

by G-Tools



ChthoniC 「KAORU」

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

Chthonic 「Quell the Souls in Sing Ling Temple」

一昨日、昨日とChthonic漬けの日々だった。Chthonic狂想曲。


事の始まりは、ライブ前のバックステージ招待に当たったとこから始まる。
今までバックステージ招待とか、ミート&グリートみたいな企画に参加したこともないし、
そもそも応募したこともなかった。でも彼らの場合は、今までの感覚とは違って、
会ってみたいって思って、そんで応募してみたら、当たった。

本当に縁なんだろうなと思う。初めて応募したこういう企画で当たるなんて。
ハウリングブルの方々、ありがとうございました。

ライブ前、スタッフさんに連れられて、サウンドチェック中の会場内へ。
ダニ、CJ、ジェシーがお互いのフレーズに合わせながら音合わせしている。
そこにドリスとフレディが加わって、新曲を演奏し始めた。

これが超絶的にかっこ良かった。バックにはチベット紛争と思われる闘争の映像が流れていて、
その映像とのコラボレーションがまた素晴らしかった。
当然リハだから、メンバーは派手なアクションはなく、淡々と演奏が進む。
なんかでもその淡々とした感じが、ライブ前に静かに燃え上がるメンバーの気持ちを感じられて、良かったり。

音楽的にはもう『Takasago Armiy』で確立されたChthonicスタイルそのものなんだけど
更にスケール感が増した印象。かっこいいとしか言いようがなかった。
遠慮しちゃったけど、思いっきり身体動かしてノリたかった。

新曲のリハを途中で切り上げて、メンバーがステージから降りてくる。
そして僕達はステージ近くに行って、メンバーの皆さんとご対面することに。

メンバー一人一人と握手して、軽く一言声かけて、そして一緒に写真を撮ってもらった。
メンバー全員のサインも貰った。
これまでのライブと彼等の活動を見てきて想像していた通り、
とにかく彼らのいい人達オーラが半端じゃなくて、本当に感激した。

あれだけ激しい音楽やってるのに、本当に温和な人柄で、
自分が台湾に旅行したときに感じたような、温和で親切な台湾の方々そのまんまという印象だった。
一緒に写真撮ってもらうときはちゃんとポーズ決めてくれて、声かければ笑顔で対応してくれるし。
みんな言うと思うけど、ドリスさんは超綺麗で、そしてとんでもなくいい人でした。

言いたいことはたくさんあったけど、伝えたいことの半分も伝えることは出来なかった。
でも日本のファンとして、彼らの日本に対する想いについて、感謝していることは、
少なくとも伝えることが出来たと思うし、本当に幸せな体験だった。

あっという間のバックステージ招待が終わって、放心状態に。
なんか凄い経験しちゃったなーって思って、緊張で喉が渇きまくって、
ライブ前にビールをがぶ飲みしてしまった。


そしてライブ本番へ。会場は七割くらいの入りといったところ。
『Takasago Army』がリリースされてから4回目の来日、平日のライブ、
単独では過去最大規模の会場ということで、観客の入りを心配していたけど、
決してガラガラではなかったのは幸いだった。個人的にはもう少し入ってほしかったけど。

でもおかげでステージ前方のフロアには余裕があって、
暴れたい人はいくらでも暴れて下さいってな環境。
いつものようにステージ前方に行って、メンバーの登場を待つ。

「The Island」のSEでメンバーが一人一人登場して、その度に湧き上がる大歓声。
そして最後にフレディが登場して「Legacy Of The Seediq」がスタート。

イントロからして、今までのライブと音が違った。
Chthonicのライブって今まで各メンバーの音の分離が凄く悪くて、
音作りにいつも不満をもっていたんだけど、今回の音作りは非常に良かった。

特にジェシーのギターと、ダニのドラムの音が素晴らしい。
ジェシーは元々上手いギタリストだなーって思ってたけど、
ミュート効かせたリフの切れ味は過去最高レベルで、バンドの演奏を引っ張っていたように思う。

ダニのドラムもまず音作りが良くて、それぞれの太鼓の音がしっかりと聴こえてくるようになった。
これまでのライブでは時たま勢いに欠けたり、リズムが不安定になったりと、
正直頼りない部分があったんだけど、今回はそんな面が完全に払拭されて、
Chthonicにダニありと、個性を発揮してくるようになったなーと感じた。

ドリスとCJの堅実なプレイと派手なアクションはいつも通りの安定感。
やっぱりドリスエリアには野郎共が沢山集結して、大いに盛り上がっておりました。
CJのヘッドバンギングも流石の切れ味。

そしてフレディのパフォーマンスはやっぱりここでも素晴らしかった。
正直バックステージでは気のいい知性溢れたお兄さんって印象で、
メンバーの中では最も普通の人に見えるんだけど、
メイクしてステージ上がると、あれだけカリスマ性溢れた男になるんだから不思議だ。

いつものようにステージ左右を広く使って観客を煽りまくる。
ずっと前の方にいたから後ろの方はどうだったかよく分からないけど、
少なくとも自分にとっては「Legacy Of The Seediq」一発で、
いきなり観客の心を掴んだような気がした。

そしてバンドを新たなステージに引き上げた名曲「Takao」へ。
この曲では思い切り頭振っていて、モッシュピットに加わっていて、我を忘れていた。

サビでは恐らく初めて日本でも台湾語の合唱が起こった。
大合唱にはならなかったにせよ、この曲のサビを日本人が少なからず歌うようになったって事実は、
彼らのこれまでの活動が実を結んだ一つの成果であるように思った。

本音言えば台湾レベルの大合唱をしたかったけど、でも周りで歌う人が増えたことは本当に嬉しい。
フレディも満足しているように思った。

「Oceanquake」はリリース当初はあまりピンとこなかった曲だけど、
すっかりライブの定番となった今は自分のフェイバリットの一つになっている。
「Southern Cross」はジェシーのギターソロがかっこいい。ギターのフレーズに合わせて、
おーおーおー、おおーおーおーって歌ってたら、周りの人もちょっと合わせてくれて面白かった。

引き続き「Kaoru」へ。この曲は渋谷クアトロで観たときに一番良かったと思う曲だったんだけど、
しばらくライブでやってなかったように思うから、やってくれて嬉しかった。
特攻隊を描いたこの曲。最初から最後までメンバーの情念を感じる気合の演奏。
この曲はChthonicを象徴する曲だと思うから、今後もライブの定番として演奏してほしい。

「Broken Jade」の前でフレディは、台湾と日本は前世紀、約50年の歴史を共有してきた。
そしてこれからの未来も、両国が歴史を共有していきたい、というようなことを言っていた。
陳腐に言い換えれば、日本と台湾、これからも共に歩んでいこうぜっていうこと。

Chthonicというバンドの登場によって、台湾と日本の歴史について学んだっていう人は多いと思う。
正直なところ、自分もその一人だった。日本人と共に闘った台湾人の歴史について。

歴史の評価については人それぞれの意見があっていいと思うけど、
決して捏造や隠蔽なく、歴史というものをありのまま見つめることの大事さを
改めて彼らは教えてくれたような気がした。

ラストには玉音放送がずっと流れていたけど、
観客はあれだけ暴れていたのにも関わらず、その時はただじっと聴き入っているのが印象的だった。
各自、様々な思いで聴き入っていたんだろうなと想像する。

とにかく今回の「Broken Jade」はMCから終始、素晴らしいパフォーマンスだったと思う。

「Root Regeneration」のSEを挟み「Mahakala」でまた熱狂が再開。
暴れたりない野郎共がこの曲のときにはかなり暴れていたように思う。
この曲もライブの方がかっこいい。改めて『Takasago Army』はライブ映えする曲が多いと実感。

あっという間にラストを締めくくる「Quell The Souls In Sing Ling Temple」。
ラストのギターソロでは名残惜しくて、あー終わってほしくねーなーなんて考えていた。

正直あっという間の出来事だった。
『Takasago Army』というアルバムは本当に思い入れを込めて
聴いていたアルバムなので、ニューアルバムリリース前に、完全再現という形で、
このアルバムの曲たちをライブで聴けたのは本当に幸せな体験だった。

『Takasago Army』に対する期待は相当に高かったので、リリース当初はいいアルバムだと思ったけど、
彼らのポテンシャルからしたら物足りない面もあるなーって思っていた。
でも世界中でライブを積み重ねた、今の彼らが演奏する『Takasago Army』は文句なしの超名盤だった。
とにかく素晴らしいライブだった。

完全再現の後は「Forty-Nine Theurgy Chains」「Rise Of The Shadows」
「Mirror Of Retribution」と『Mirror of Retribution』よりキラーチューンを投入。
当然のように盛り上がる。

時間軸的には『Takasago Army』の続きとして『Mirror of Retribution』がある訳だから、
そんな歴史の流れを意識して『Takasago Army』の後に『Mirror of Retribution』の曲を固めるっていう
セットリストにしたんだろうと思う。ライブのときは気付かなかったけど。

アンコールでは、始めにダニとジェシーが出てきてセッションしてたんだけど、これが非常に良かった。
今までメンバー同士のセッションタイムってのは無かったように思うので、凄く新鮮だった。

ジェシーはマーティーフリードマンばりの音階で、コブシきかせたヴィブラートとチョーキング。
一緒にライブ出てたし、マーティーの影響を相当受けていそうな気がする。
つーか、相当にいい泣きのギターだった。マーティーレベルのギタリストになれるんじゃないかな、マジで。
あーいうメンバー同士のセッションタイムは今後も続けてほしい。

そして彼らの闘いのメッセージを告げるかのような「UNlimited Taiwan」。
これまでの台湾の歴史を踏まえた上で、アンコールにて彼らは新たな闘いを宣言する。

limited vision, limited union
unlimited division, unlimited illusion
limited freedom, limited right
unlimited island, unlimited fight

そしてラストは新曲「Set Fire To The Island」。
ドリスの写真集のタイトルにもなっていって、きっとそこでのメッセージとリンクしているであろう曲。
歌詞分からないので、どんなこと歌ってるか分からないけど、
バックでの映像を見る限り、闘いのメッセージが込められた曲なんじゃないかと想像する。

「Set Fire To The Island」は「火焼島」のこと。
政治犯収容所があった島ということで、やはり闘争とリンクしているものがありそう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%91%E5%B3%B6%E9%83%B7

こうやってセットリスト振り返ってみると、凄く考え抜かれていて、
このライブに懸けてくれた想いというものを本当に実感する。
『Takasago Army』のツアーは今日でファイナルだとフレディが言っていた。

その最後を締めくくるのにふさわしい渾身のライブ。
『Takasago Army』が彼らのキャリアの中でブレイクスルーになったことは間違いないし、
このアルバムによって、世界中に名前を売ることになったと思う。

次のニューアルバムは新曲を聴く限り、本当に期待できる。
アジア人が嘗て到達したことのない境地へ、世界的なバンドを目指して、
彼らにはこれからも頑張ってもらいたいと思う。

文句なしで、素晴らしいライブだった。


(セットリスト)2013.3.7 渋谷O-EAST
The Island
Legacy Of The Seediq
Takao
Oceanquake
Southern Cross
Kaoru
Broken Jade
Root Regeneration
Mahakala
Quell The Souls In Sing Ling Temple
Forty-Nine Theurgy Chains
Rise Of The Shadows
Spell Of Setting Sun:Mirror Of Retribution

G Solo
UNlimited Taiwan
Set Fire To The Island


まだ実は続きがあります。

ライブ後、Chthonic好きの方々と一緒に飲みに行ってメタルトークを交わして、
次の日のChthonicのイベントにも行かねーって話になった。
http://bar-rockaholic.jp/calendar/2013/03/chthonic_presents_battle_of_rh.php

ぶっちゃけ興味あったので、いつもより早く出社して昼休み返上して仕事して行くことにした。
こんなイベント行くのもきっとChthonicだから。他のバンドじゃ行かないと思う。

会場に来ているお客さんは男7:女3のイメージ。
個人的に男ファンが多いのがChthonicのいいところだと思う。

そして不思議な巡り会わせで、その日はWBCの日本VS台湾の対戦日。
WBC中継を流しながらイベントが進行するという、何とも不思議な感じで時間が進んだ。
基本的にメンバーはVIPルームにいるんだけど、ふらっと客のフロアに出てきて、お客さん達と談笑している。

最初は遠慮しちゃったけど、こんな機会ないしってことで、
フロアにいたジェシーとドリスに声をかけて、一緒に写真を撮ってもらった。
前日みたいに一言二言ではないけど、短い会話が出来て良かった。
ドリスさんを笑わせられたのは嬉しかった。

フレディは台湾のチャンスのときにフロアに現れて、台湾チームの得点に大喜び。
ソーリー、ソーリーって笑いながら叫んでて、お互い違うチーム応援してるんだけど、
和やかな雰囲気で会場の空気は作られていた。

この試合がまたとんでもない試合で、折角8回に日本が追いついたと思ったら、台湾が勝ち越しに成功。
勝ち越しの場面ではChthonicのメンバーが凄く喜んでいるのが見えた。
試合のクライマックスではもうイベント云々とか関係なく、野球観戦会になってた。

9回にはツーアウトからまさかの鳥谷スチール、井端のタイムリーで同点。
野球の試合でここまで興奮したのはいつぶりだろうってくらいに興奮していた。
そして延長では中田の犠牲フライで勝ち越し。結果日本の勝利。

会場が完全に一体になる神展開で、勝利の瞬間は凄い盛り上がりだった。
ロカホリのスタッフの方のおごりで、全員にテキーラが配られ、フレディの発声で乾杯。
「乎乾啦~」と台湾式で。フレディはちょっと残念そうだったけど、いい試合だったから満足だったみたい。

野球が終わったのが12時前くらい。メンバーはまたフロアに出てきたから、
ダニとCJとも一緒に写真撮ってもらった。
最終的には全員のメンバーとツーショット写真撮ってもらったことになる。

乙女みたいなことやってて、不思議だ。

店の外に出るとお客さんの中に混じってメンバーが普通に他のメンバーを待っている。
普通に飲み会の帰りみたいな感じで、なんか笑えた。あれだけ世界を渡り歩いているバンドなのに、
雰囲気はそこら辺の対バン形式でライブやっている1バンドみたいな感じだった。
対バン同士の打ち上げが終わったときの飲み会ってあんな感じだよなー。

最後にメンバーにサンキュー、ソニック!謝謝!と声かけて、自分のChthonic狂想曲は終わった。
ダニとCJは笑って手を振ってた。飲み屋帰りの別れ際みたいだった。


音楽も最高なら人柄も最高。愛すべき台湾のバンド。
ずっと応援するしかありません。
本当に不思議で、そして自分でも不思議な行動をしてしまった二日間でした。

あー楽しかった!

B004YVWJ6OTakasago Army
ソニック
ハウリング・ブル・エンター 2011-07-06

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Chthonic 「Quell the Souls in Sing Ling Temple」

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

My Bloody Valentine 「Sometimes」

俗ではあるけど、今年に入って点数の付く試験を受けることにしたから、
その勉強時間確保を優先して、ブログの更新が滞っています。
来月の終わり頃には、少なくとも昔のペースで更新したいなーと思っております。

最近はあらゆる面で不調もいいところ。
表面上は取り繕ってはいるけど、上司との関係は悪化する一方で、面倒臭い。
会社内の雰囲気も業績の絡みで凄く良くない。

自分自身の体調も今年の冬は、良くなったかと思えばまた悪化の繰り返し。
精神的にもキツい部分があるので、酒飲んでヤケになって悪酔い、そして体調悪化の繰り返し。

ちなみに最近、自分のスマホがコネクタ不良起こして、電池の充電が満足に出来なくなっていた。
だましだまし使っていた訳だけど、最終的に昨日、彼は全てのエネルギーを使い果たし、
全ての充電行為に対する返事も無く、息を引き取った。

自分の今の状況を凄く暗示していて、上手いこと起こるもんだと感心した。

あらゆることに手応えがない。
あれだけ自分の中に宿っていた様々な熱量が薄れていくのを感じる今日この頃。

まー、別に深刻に考えてはいなくて、暖かくなって、また4月から新しい何かが始まれば、
自然に上手くやっていけるようにはなると思うんだけど。
そのためには3月の試験は頑張ろうって訳です。


随分と前のことのように思えるけど、今月、My Bloody Valentineのライブに行ってきた。

決して自分はマイブラの熱烈なファンではない。
彼らがリアルタイムで活躍していたのは90年代前後であって、自分のリアルタイムからは外れている。
Stone Rosesは90年代中盤にも活動していたから、その流れで今まで聴いてきたけど、
マイブラの場合はそこで断絶しちゃってるから、少なくとも90年代に僕は彼らの音楽を聴くことはなかった。

社会人になって、これもきっかけは覚えていないけど、Rideを聴くようになって、
その流れでMy Bloody Valentineも聴くようになった。勿論名盤と誉れ高い『Loveless』を。

確かにそこで鳴らされているギターの音はとても美しく、かっこいいと思った。
リアルタイムで聴いていたら相当インパクトあったんだろうし、
歴史的名盤と形容されるのも、何となく分かった。

単純にかっこいいし、面白いアルバムだったので何回も繰り返し聴いて、
『Isn't Anything』も聴くようになって、それなりにマイブラの良さを堪能できるようになっていった。

ただ、そこには決して熱烈に彼らを渇望する、という感情は生まれなかった。
自分がリアルタイムで聴いていたStone Rosesに対するような感情は、決してそこには生まれなかった。
音楽の善し悪しではなくて、思い入れの深さと時間の問題。

2008年フジロックに彼らが出演することは当時大事件として報じられていたけど、
当然ながら自分は彼らのライブを凄く観たいとは思ったけど、
所謂本物のファンの方々ほどの渇望感は決してなくて、
自分にとってはあのバンドがどんなライブをやるんだろうという興味の方が大きかった。

ただ、あのときのライブはとんでもなかった。


トリ前に出演したKasabianのときからすっげーうるせーと思っていたけど、それ以上の大轟音。
レッドマーキーでFeederのライブを観てからグリーンステージに移った自分の感想は、まずそれだった。
そして思ったのが面白いくらいに、突っ立っている観客が多い。呆然としているというか。

でも自分もそんな観客の一人になった。
とにかく轟音を身体全体で受け止めながら、ただステージ上で繰り広げられる光景を、
呆然と突っ立って見つめる人間の一人となった。

実は新木場のライブもそうなんだけど、彼らのライブのことを、
少なくとも自分の能力では、言葉で決して伝えることが出来ない。

決してノレない、のではなくて、身体が動かない。
そんなイメージ。

ただ、ドラムとベースのリズム隊はCDより全然躍動していて、かなりかっこいいと思った。
明らかにライブの方がマイブラはノレる。ダンスっぽい16のビートの曲もある訳だし。
たぶん素直に没頭すれば、きっと身体を動かしながら聴くっていう楽しみ方も出来るんだろう。

そしてやっぱり凄いなーと思ったのが、ケヴィンとビリンダのギター。
アームをギュインギュインいわせながらのカッティング。
彼らの奏法については少しは知っていたけど、やっぱり本家本元のオーラを感じた。
そして歪みの音も自分が普段聴くようなものとは大きく異なる質感だと思った。

何より夜中の苗場というシチュエーションはマイブラのライブにあまりにもハマり過ぎていて、
美しい轟音が深遠な山々に吸い込まれていくというか、凄く神秘的なライブだった。

あのライブを観た人ならきっと誰もが語るであろう
「You Made Me Realize」でのノイズ洪水は本当に凄かった。ただ黙って突っ立っているしかない。
鼓膜を破壊しにきているんじゃないかと思うくらい、攻めの轟音だった。

あの音に何の意味があったのか、当時はよく分からなかったし、今でもよく分からない。
ただ、マイブラが残したインパクトは自分の中ではかなり大きく、
大きく胸の中に傷跡を残すことになった。

フジロックでのライブは「伝説」と形容されることも多いけど、確かに伝説だったんだろうなと思う。
とにかくインパクトは絶大だった。凄いライブだったと思った。


そんな体験があったから、今年のライブもまた観てみたいと思った。
広大な野外ステージではなく、小さなライブハウスだとどんな印象を受けるんだろうかと、楽しみにしていた。

結果としては、フジロックでの体験を追体験することが出来た。
ただ、それ以上でもそれ以下でもなかった。
実際ライブのセットリストはフジロックのときと殆ど同じだった訳だし。

でも、ライブハウスでの彼らのライブを観て、決してマイブラのライブの神秘性は、
フジロックというシチュエーションに依存していた訳ではなく、正にバンドが奏でる音と、
バンドそのものにより生まれていたものだということが、改めて証明されたように思えた。

さっきも書いたけど、マイブラのライブのことを言葉に現すのは難しい。
もう少し深く彼らの音楽を聴いていれば全然違うんだろうけど。

少なくとも、でもまた彼らのライブを観れて良かった。
そしてまた5月にTokyo Rocksで来日する彼らのライブを、また観たいと思っている自分がいる…。

いつかライブでやってくれなかった「Sometimes」を聴きたい。てかこの曲が一番好き。
ムシャクシャした気持ちになったとき、この曲聴くと、落ち着く。
美しいとしか言いようがない訳であります。


(セットリスト)2013/02/10 新木場Studio Coast
I Only Said
When You Sleep
New You
You Never should
Honey Power
Cigarette In You Bed
Come In Alone
Only Shallow
Thorn
Nothing Much To Lose
To Here Knows When
Slow
Soon
Feed Me With Your Kiss
You Made Me Realize


B000002LRJLoveless
My Bloody Valentine
Sire / London/Rhino 1991-11-05

by G-Tools



My Bloody Valentine 「Sometimes」

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

Cyndi Lauper 「Girls Just Want To Have Fun」

久しぶりの更新。
リハビリがてらの変な記事、いつもながら勘弁して下さい。


今年のサマソニ、個人的にかなりいい感じ。
メタリカ、ミューズにストーンローゼス。そしてシンディローパー。
自分を含め、上の年代の方々にはたまらないメンツが今のところ発表されているように思う。
これはソニマニ含めて全日行かないとって感じになるかもしれない。
http://www.summersonic.com/2013/

シンディローパーって、自分にとってはWe Are The World歌っている人って印象が強かった。
小学校の頃になぜかこの曲をクラスで歌うことになって、
そんでそん時のドキュメンタリービデオを何回も見たんだけど、この人のインパクトは強かった。
鳥みたいな髪の毛に甲高い声。

マイケルジャクソンは別格として、あの当時全く海外のミュージシャンって知らなかったけど。
シンディローパーとブルーススプリングスティーンは凄く印象的だったのを覚えている。
学校帰りにみんなで物真似しながら帰ったこともあったような。

とはいえ、自分の興味は段々とロックの方にシフトしていったから、
当然ながらシンディローパーのアルバムを買ったり、借りたりして聴くようなことはなかった。

そんな日々が続いて、時は流れて18の夏。

自分は大学に入って寮生活をしていたこともあり、日々誰かに囲まれて生活していた。
あの当時、そんな生活がたまらなく楽しくて、ある意味狂乱の生活を送っていた。
あの頃は一人でいたことの記憶がないくらい、誰かと常に一緒にいた気がする。

そんなあるとき、いつものように僕は先輩方とすすきのの街に出かけて、みんなで飲んでいた。
どんなメンツで飲みに行ったのかも、どんな店に行って、どんな話をしていたのかなんて全く覚えてないけど、
でもとにかく酒を飲んでいた。

いつの間にかメンバーは散り散りになり、各々が好きな組み合わせでまた街に消えていった。
自分も自然とある先輩に誘われ、サシで飲むことになった。恐らく2時とか3時くらい。

その時に自分はとある小さなバーに連れて行ってもらった。
そしてその時に先輩が言った一言が今でも印象に残っている。
「みんなと一緒にいるのは楽しいけど、男はあえて一人になる時も必要だ」

あの時のことを文章に書き起こすのは非常に難しくて、
自分以外の人に理解されることはないと思うけど、でもこの時の言葉は自分の人生を変えた。

文面に起こすとキザなこと言ってるように思うけど、
その人はあまり人に対して自身の深い淵の部分を見せるような人ではなかったから、
こういう発言があったのが意外だった。
少なくとも僕にとってその人はそういうタイプの人には見えなかった。

その先輩はすすきので一人で飲むときには、その小さなバーに行っていると言っていた。
自分が考え事をしなくてはいけないとき、何かを決意しなくてはいけないとき、
折に触れてそのバーに行って、思索にふけって、そしてきっかけを掴んで、帰ってくるんだと言っていた。

そして寮の人間を連れてくるのは恐らく初めてかも言っていた。
今思えば疑わしい点もあるけど、そんなことはでもどうでも良くて、
僕はそこに先輩からのメッセージを感じて、ふとハッとなったのを覚えている。

あまりにも自分は流され過ぎていた。
濁流の流れの中に乗ることも必要な能力であるが、その中で強い自分を確立していくということも必要。
自分はあまりにも自分の頭で、自分のことを振り返るための時間が無かったことに気付いた。

その時のバーには、シンディローパーの「Girls Just Want To Have Fun」が流れていた。
その時に先輩は言っていたけど、この店にはCDが少ないから、いつもこの曲がかかるんだと笑っていた。

改めて自分って分かりやすいなーって思うけど、そのことをきっかけとして、
一人で酒を飲みに行くことが増えた。大体大音量でロックをかけている店だった。
そういうところで知り合った人もいたし、ひたすらに飲みまくって一人で潰れることもあった。

強い自分に辿り着けたかは別として、でも自分のことについて考えるようになった。
一人で酒を飲みに行くと、否が応にも自分との会話を迫られる。
将来何やるんだってことまで全く結論は出なかったけど、でも自分が目指したい姿、あるべき姿といった、
そんな行動指針のようなものは今でも変わってない部分もあるから、それなりに有効だったんだと思う。

その先輩が卒業していなくなって、改めてそのバーに行ってみたけど、
やっぱりそのバーでは「Girls Just Want To Have Fun」がかかっていた。
その頃には僕は、シンディローパーの代表曲なら殆ど口ずさめるようになっていた。

当時、バリバリのメタラーだったはずなのに。


更に時が流れて2007年のサマーソニック。
この年のサマソニも面白かったんだけど、
マニックス、モーターヘッド、シンディローパーが被るという超絶的な状況に。
http://www.summersonic.com/07/lineup/timetable_12tokyo.html

結局自分は昔の思い出があったシンディローパーのライブを選んだ。
フェスって機会じゃないと、もうライブ観ることないかもしれないしって。

その時のライブはとにかく素晴らしかったという印象しかない。
だいぶシンディはオバちゃんになっていたけど、やっぱりボーカリストとしての能力、
そしてパフォーマーとしての能力は別格だった。

あのポップス全盛期の80年代に時代を作ったミュージシャンは凄い。
改めて古のミュージシャンの底力を見た。
彼女に思い入れなくライブを観た友人も、しきりにすげーすげーって言ってたし。

「True Colors」「Time After Time」のバラード二曲に感動したんだけど、
ラストにはやっぱり「Girls Just Want To Have Fun」が。

勿論ライブ自体素晴らしかったんだけど、この曲を聴きながら、
自分の昔の思い出が蘇ってきて、涙が出そうになった。あんなに楽しい曲なのに。

音楽には昔の記憶を蘇らせる効能がある。改めてそう思った。昔の思い出の写真のように。


今年もしシンディローパーを観たとしたら、自分はどんな想いを抱くんだろう。
あれから時が経ち、自分はもう33歳。よくもここまで生きてこれたもんだ。

ちなみにメタリカやミューズとシンディを被せるのだけはやめて下さいね。クリマンさん。


B000025RYDTwelve Deadly Cyns... and Then Some
Cyndi Lauper
Sony 2010-08-31

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Cyndi Lauper 「Girls Just Want To Have Fun」
80年代センス爆発って感じ。やっぱりいい曲だと思います。

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プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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