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Carcass 「Mount of Execution」

Carcass、まさかのニューアルバムリリース。

多くの人間に驚きをもたらしたニュースから、あっという間に時は経ち、
そしてとうとうリリース日がやってきた。

最近は新譜を発売日当日に買って聴くなんて、本当に限られたアーティストでしかやらないんだけど、
彼らの場合は特別。絶対にリリースされたらすぐ買って聴くって決めてた。
Chthonicの『Bu-Tik』以来だな。

『Surgical Steel』、とりあえず3回聴いた段階での感想を書いておく。


「1985」での今までになかったようなアルバムのスタートにはいきなりの驚きが。
メロウなツインギターをフィーチャーしたインスト。
でもギターの音色はメタル然としたそれではなく、今のビルが奏でる粘っこい音ではあるが。
残虐王の帰還をアピールするかのような演出のように思える。

続けざまの「Thrasher's Abattoir」ではいきなりスラッシュビートでの疾走。
ブラストビートもアクセントに加えて、いかにも俺達のカーカスが帰ってきたぜー的な演出。
速攻で繰り出させるギターソロも昔のカーカスっぽい。

ここら辺は『Necroticism - Descanting the Insalubrious』
『Heartwork』あたりの雰囲気を感じる。
とはいえかなりコンパクトにまとめられた楽曲は爽快に短く完結する。

「Cadaver Pouch Conveyor System」のイントロでのツインリードのリフは、
こちらは『Swansong』の雰囲気を感じ取ったりで、
こちらもかなり過去を意識した曲のように聴こえる。

中間部のスローダウンしたパートからの展開は
過去のカーカスにはなかったような要素が盛り込まれているようで、
こちらはカーカス解散後のメタルの雰囲気をまとったようなイメージ。
手数足数多くバタバタするドラムは、きっとケンオーウェンでは叩けない気が。

「A Congealed Clot of Blood」は一転してヘヴィなミドルテンポナンバー。
このずっしりした感じもまた昔のカーカスっぽい。
個人的にはこちらの方が、円熟を極めた今のメンバーにとって自然な音に感じられて、
凄く心地良さを感じる。ジェフウォーカーのボーカルがかなりかっこいい。

ドロドロしているんだけど、ただ下品な汚さではなくて、
どことなく英国然とした気品を感じられるのが、カーカスというバンドの特筆すべきところ。
決して派手なことはやっていなくても、ビルのギターソロに、その美しさを感じられたり。

「The Master Butcher's Apron」では更に一転してまたブラストビートの応酬。
ここら辺もカーカス完全復活を宣言するかのよう。でもまたスローなパート入る訳だけど。
この忙しい展開はやっぱり『Necroticism - Descanting the Insalubrious』
あたりの雰囲気を感じるな。

「Noncompliance to ASTM F 899-12 Standard」は、
英国チックなツインギターをフィーチャーして、
『Heartwork』の頃を髣髴とさせるブラストビートに乗せた単音リフへ移行、
そして『Swansong』を髣髴とさせる、ロックンロール的にスイングするリフへってイントロの展開。

1回目聴いたとき、ここがまず自分の中でのハイライトになった。
おおおー、かっけーって。思わず身体を動かしてしまう高揚感があった。
てかやっぱ自分、『Swansong』好きなんだよな。それを再確認。
まー、いきなりまたリズムチェンジして、せわしなく曲が展開していく訳なんだけど。

この曲のギターソロがまた素晴らしい。ビルのギターソロって、
曲のイメージを一気に変えてしまう力を持ってる。
中間部のソロ、後半部のソロ、どちらも本当に効果的で素晴らしい。
アプローチが、一般的なメタルギタリストとやっぱり違うんだよね。そこが面白い。

過去の色々なカーカスをごちゃまぜにミックスしたような、
彼らにしか作りえない名曲と言っていいんじゃないかと思う。

「The Granulating Dark Satanic Mills」もロックンロール的なリフが最高。
シンコペーションを多用して、かなり『Swansong』みたいな雰囲気。
ライドシンバルの入れ方がケンのドラムっぽくてニヤニヤしてしまったり。

何といってもこの曲はジェフのボーカルがかっこいい。
サビの6、0、2、6、9、6、1ってパート、かなりかっこいいよ。
ジェフのボーカルは全く劣化せずに、往年の魅力を完全に維持している訳だけど、
更に歌心が身についているというか、過去よりも表現力が増している気がする。

個人的には凄く好きな曲。Death'n Rollだな。

「Unfit for Human Consumption」は
どことなくMegadethの「Wake Up Dead」を彷彿とさせる序盤。
カーカスって音楽的変遷が、どことなくメガデスっぽい気がなんとなくしている。

このアルバムもどことなく、90年代後半のメガデスっぽい香りを感じたり。
そう思うの俺だけかもしれないけど。アプローチが近いのかもしれないなんて。

中間部の疾走パートは正統派メタルのそれなんだけど、
カーカスにしか出せないような味が感じられてかなりかっこいい。
そしてクライマックスはギターソロ。ビルスティアーの美メロが炸裂。

昔みたいにギターソロにもタイトル付けてほしかったな。
ギターソロのタイトル好きだったんだけどな。

この曲も前曲からの勢いを引き継いで、かなり熱い。
個人的にこの曲もかなり好き。

「316 L Grade Surgical Steel」ではアルバムのハイライトが到来といった趣。
リズムパターンの頻繁なチェンジがいかにもカーカスっぽくてかっこいい。
ブラストパートもあるし、リフとリズムが渾然一体となった気持ち良さがある。
かっこいいリフ飛び出しまくり。リズム隊もかなりいい仕事している。

尚ここでもビルの美メロギターソロが炸裂。
粘り気のあるギターソロの音作りは、本作では一貫して本当に素晴らしいと思う。

「Captive Bolt Pistol」は『Heartwork』に入っていそうな曲。
てか「Carnal Forge」にかなり近いんじゃないのかな。

このギターソロもかなり面白い。ビルにしか弾けないギターな気がする。
一回目のギターソロは短めに切りあげて、えっこれで終わり?と思わせて、
続いてギターソロに入るところなんていいアレンジだなーって思った。

そしてマイナースケールの早弾き上昇フレーズまで飛び出して、
過去のカーカステイストを演出するところもいいなあ。

「Noncompliance to ASTM F 899-12 Standard」からこの曲までの流れは、
本当に素晴らしいと思う。勢いが凄いわ。

そして本編ラストの「Mount of Execution」へ。
これまでのカーカスにはあまりなかったような新機軸タイプの曲だと思う。

アコースティックギターの叙情的なイントロ。こういった始まりは初めてでは?
続くのは英国テイストに溢れる、ハードロック入ったようなリフ。
メタル的な整合感よりも、ルーズさも感じられるスイング感を前面に押し出した感じ。

彼らのルーツとも言える70年代ハードロックの香り漂うんだけど、
でも不思議とカーカスっぽい。凄く新鮮だと思った。

ジェフのボーカルもどことなく歌心を感じさせる。
『Swansong』でも感じられる英国的センスとも何かが違う。
これが17年の重みなのかもしれない。かっこいい。

かなり頻繁にテンポ、リズムチェンジが繰り返されて、そのいちいちがかっこいいんだけど、
ダウンピッキングの刻みリフ入ってからの展開は、メタル的なドラマ性に溢れていて、かなり好き。
カーカスは大曲志向だった時期があったけど、過去のそれとは全然違う大曲の仕上がり。

ラストでは終わったに思わせておいてからのスネア連打からのヘヴィリフ。
ここのパートはかっこいいって素直に思った。素晴らしい。

過去のカーカスのテイストをふんだんに散りばめた渾身の楽曲が
ずらりと並んだこのアルバムの中で、彼らはラストにこの曲を持ってきた。

ラストまでの楽曲が「リバプールの残虐王」の帰還をアピールするものだとすれば、
新たなカーカスをアピールするのが「Mount of Execution」。
単なる過去の焼き直しを善しとせず、このような楽曲を収録したことに、
僕は彼らの心意気を大いに感じて、本当に嬉しく思った。

「Mount of Execution」は新たなカーカスの始まりを告げる名曲だと思う。
邦題は「処刑の丘」。彼らはまた処刑場に帰ってきてしまったということだ。


結論から言うと、『Surgical Steel』は、17年ぶりの復活作として申し分の無い、
素晴らしいアルバム。前評判が良かったのもうなずける仕上がり。

でも実は1回目に聴いたときは、違和感ありまくりで、
これは過剰な期待をかけすぎてしまったなーと思ってしまったのは事実。
その要因は音質とドラムの二点にある。

本作のミックスを担当したのは、Arch Enemyでおなじみのアンディ・スニープ。
クリアでダイナミックで、空間の広がりを感じさせるミックスなんだけど、
自分のイメージするカーカスのそれ、とは異なっていて凄く違和感があった。

別にカーカス初期の劣悪な音質がいいという訳ではなくて、
ただ、17年という時の流れを経て、現代的な音で彼らの楽曲を聴くと、
どうもこうじゃないって拒絶反応が出てしまったようだ。上手く言葉に現せないけど。
『Swansong』の音で彼らは自分の中で止まっていた訳だから。

ただ古臭いミックスすれば良かったという訳ではないし、
素直に今のカーカスの音はこれなんだと慣れた2回目以降は、
違和感無く楽曲の素晴らしさに耳が向くようになった。

また、新ドラマーのダン・ウィルディング。
珍しいパターンだけど、彼のリズムは正確すぎて、またこれも多大な違和感があった。
上手すぎるってのも考えものなのかなあと。

自分にとって、カーカスらしさの象徴はケン・オーウェンだったと思っている。
複雑で独創的なリズムパターンは凄く個性的でセンスに溢れている一方で、
彼は非常にルーズで正確さとは真逆の立ち位置にいるドラマーだった。

でもそれがカーカスの「ノリ」をもたらしていた訳で、
あのスイング感こそカーカスの真髄であり、素晴らしさなんだと思っていた。

パンクの血を引くグラインドコアをルーツにしたバンドの出自が、
その後のメロディックデスメタルの世代のバンドと一線を画していたのは事実で、
それがカーカスというバンドの面白さだと思っていた。

でもこちらに関しても、演奏上手いカーカスも悪くないなあと思えば気にならなくなったし、
「Mount of Execution」みたいな楽曲のドラマ性は、
ケンでは演出できなかった世界だったかもしれないと思えるようになった。

ケン・オーウェンのフレーズをいくつか引き出して再現しているところも、
色々と気付いてくるとダンってかわいい奴だなあと愛おしく思えてきたり。

こちらに関しても慣れの問題だったようだ。

いくら楽曲が素晴らしくても、自分の中に生じるモヤモヤがあると、
そうしてもそこに耳が言って素直になれないってことなんだろうな。
その点は聴き込むことで、全然印象が変わった。

自分みたいに1回目に聴いてピンとこなかった人も、2回目、3回目と聴くべきアルバムだと思う。
それでダメなら、それは好みの問題だったって話になると思うけど。


本日Loud Parkへの出演も発表され、
日本において、カーカスがかなり熱い状況になっている。

俺が行った町田のタワレコではニューアルバムが売り切れていたし、
セールス的なリアクションもひょっとしたらレーベルの想像以上なんじゃないのかな。

『Swansong』の続きが聴けて、本当に良かった。
そう思っている人が、今日本にいっぱいいるんじゃないのかな。

そーいえば、ボーナストラックもかなり良かったなあ。
「Intensive Battery Brooding」なんて特に。
邦題と対訳はトイズファクトリー時代の雰囲気そのままなんで、
ボーナストラックもあるし、絶対に日本盤の購入がおすすめ!


B00DZARW30サージカル・スティール
カーカス
(株)トゥルーパー・エンタテインメント 2013-09-03

by G-Tools



Carcass 「Mount of Execution」

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

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プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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