スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Stormtroopers of Death 「March Of The S.O.D.」

自分は音楽評論家ではないので、感覚で認識している部分が多い訳だけど、
メタルという音楽はパンクの影響下において音楽的な進化が進んだと思っている。

Iron Maiden。スティーブ・ハリスがパンクが嫌いでその影響を否定しているみたいだけど、
Black Sabbath、Deep Perple、Thin Lizzyのような70年代のハードロックに、
パンクのストレートな攻撃性を足したミクスチャーこそが初期のヘヴィメタルだったと思っている。

ポールディアノはパンクバンドのボーカルだった訳だし、
あのアグレッションには、当時の時代の空気が少なからずバンドに与えた影響があったはず。

メイデンは更にプログレの要素もあって、それがメタルのドラマ性、叙情性という、
更なる特徴付けになっているんだけど。メタルにおけるドラマ性ってやっぱり重要な要素な気がするし、
そういう意味で、正確に言うなら、ハードロック+パンク+プログレ=メタルなのかな。

そして時が流れてスラッシュメタル四天王の登場。Metallica、Megadeth、Slayer、Anthrax。
どのバンドもハードコアパンクからの影響を公言していて、パンクのカバーも数多い。
スラッシュメタルの高速ツービートは明らかにハードコアパンクの流れにあるものだし、
ギターリフやボーカルスタイルに関しても、全てのバンドにとは言わないが、共通項が多い。

Iron Maiden、Judas Priestを始祖としてイギリスで発展したNWOBHMと
ハードコアパンクのミクスチャーがスラッシュメタルだったんじゃないかと思う。

Metallicaの『Kill'em All』って、ミュート効かせた高速の刻みと作り込んだ曲展開には
メタルの要素を大いに感じるけど、でもその後のアルバムと比較すると、
ルーズで荒々しくて、寧ろハードコアパンクのアルバムなんじゃないのって思うくらい。今聴くと。
Slayerの『Show No Mercy』も全く同じ感想。

という訳で、自分にとっては、メタルはパンクから出自したというのが持論になります。

でもかつての日本において革マル派と中核派が血で血を洗う抗争を繰り広げたように、
音楽の世界でもハードコアパンクとスラッシュメタルの間には大きな溝が出来ていったらしい。
ここら辺の「溝」が具体的にどうだったかは正直調べてもよく分からないんだけど、
でもそう説明されていたんだからそうなんだろう。

出自が同一な似たもの同士は、ほんのちょっとの各論に対する考え方の違いで
大きく反目し合うケースが多々ある。
人間の歴史を紐解く上で、こういう考察は社会学的に興味あるんだけど、誰か研究してる人いないのかな。

でもそんなシーンの中で、再びパンクとメタルを融合させようなんて試みが1985年に生まれ、
その旗手となったのがStormtroopers of Death(S.O.D.)というバンド。
バンドの説明はこちら。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B9

ダンリルカは元Anthraxだから、原型はほぼAnthraxと言っていいはず。
そこにハードコアパンクな人、ビリーミラノが加わることで、新たな化学反応が生まれたのかなーと。

でも、元々出自が一緒であるハードコアパンクとスラッシュメタルの融合が、
クロスオーヴァーと呼ばれてブームになるってのも、よくよく考えると不思議な話だ。
原点回帰のムーブメントって方がしっくりとくるような。

Sighの川嶋さんがクロスオーヴァームーブメントについて、こんな考察をしていた。
つーかこの人のコラム面白い。メタルファンなら他の記事も読んでみて頂きたいです。
こういう人がBURRNの編集に入ってくれればいいんだけどな…。
http://www.hmv.co.jp/news/article/1205150099/

以下、抜粋。

では一体 Crossover というムーヴメントは何が新しかったのか。
S.O.D.というプロジェクトは何が画期的であったのか。
それはおそらく、"Speak English or Die" というアルバムが、
厳密にはヘヴィメタルにもパンクにも分類できない、
まったく中間の Crossover としか言えない物であったところにあるのだろう。

いくらハードコアの影響下にあろうが Venom や Slayer はスラッシュメタルだったし、
Suicidal Tendencies のファーストはメタルの影響を受けてもハードコアパンクであった。
だが S.O.D. はそのどちらでもなかった。


なるほど、ハードコアパンクとスラッシュメタルとそれぞれが独立して音楽的な進化を遂げていく中で、
その進化の過程において「中間」的な音楽をやっていたということか。
原点回帰ではなくて、あくまで進化の過程の中での「融合」ということ。
こう考えれば確かにしっくりくる。

川嶋さんは更にこんなことを言っている。
http://www.hmv.co.jp/news/article/1205240062/

以下、抜粋。

言うまでもないことだが、ブームの終焉によって Crossover バンドやシーンが消滅したわけではない。
というよりもその後、メタル・パンクどちらにもアピールするということが何ら特別なことではなくなり、
あえて "Crossover" を前面に押し出す必要がなくなった、
それだけ "Crossover" というものが浸透、普通のものになった、とも言えるのだろう。


クロスオーヴァーというムーブメントは早い段階で終焉した訳だけど、
ここでパンクとメタルの壁はもうなくなったということ。
日本ではBURRNの影響で、パンクとメタルは水と油みたいな思想が強かったように思うけど、
海外ではもう80年代の段階で垣根はなくなっていたんだよな、きっと。

更にヒップホップを交え、様々なジャンルの壁を越えた音楽が
90年代前後、特にアメリカにおいてどんどん作られていくことになる。

90年代にAlice In Chains、Soundgardenみたいなバンドが出てきたけど、
彼らはメタル的な要素もあったと思うけど、日本ではメディアがあまり好意的に取り上げてなかったのは、
ジャンルの壁というものがまだ日本では強かったからなんじゃないかと今更ながら思う。
自分の国でクロスオーヴァーってのが起こった訳じゃないもんね。

あの当時の日本、まだメタルはメタル、パンクはパンク、ロックはロックだった。
もちろん自分の印象だから、例外は多いだろうって指摘は置いといて。


大分前置きが長くなったけど、最近S.O.D.をよく聴いている。単純にかっこいいから。

そのかっこ良さの源泉は何から来ているのか、当時の時代背景を知ることが一つの助けになるとは思うけど、
そんな前置きは抜きにしても、とにかくかっこいい。
多分当時もクロスオーヴァーがどうのとか、ジャンルの壁がどうのとか抜きに、
なんじゃこりゃ、かっこいいーってなったから、S.O.D.は多大な影響を与えたんだろうなって思う。

「March of the S.O.D.」がたまらなくかっこいい。
難しいこと一切やってないんだけど、聴いていてじわじわと身体の奥底から
熱い何かが込み上げてくるのを感じる。ダンリルカのベースが素晴らしい。

そしてそこからの「Sargent D and the S.O.D」への流れがまた素晴らしい。
シリアスなサウンドではあるんだけど、ボーカルのメロディもギターリフもどことなくキャッチーで
凄く聴いていて気持ちいい。

「Milk」は、ナパームデスに代表される後のグラインドコアバンドに多大な影響を与えたと思われる曲。
ブラストビートって元はジャズの世界で生まれたみたいなんだけど、メタル、パンクのフィールドで
このビートを取り上げたのは当時かなり先鋭的だったらしい。

この曲がなかったらグラインドコアもデスメタルもなかったって言ったら言い過ぎかもしれないけど、
絶対に今後の音楽シーンは変わっていたんじゃないのかな。
しかし当時のチャーリーのドラムは凄いわ。

アルバムのラストは「Hey Gordy!」「Ballad of Jimi Hendrix」「Diamonds and Rust」の
秒殺三連発で終了。ふざけてる。ここら辺もグラインドコアに影響与えてそう。

ただし、このバンド、人種差別的な歌詞書いてるんで注意が必要です。
本人達はふざけてやってるんだけど、
それを真に受けてしまう真面目な方にはこのアルバム、無理だと思います。

「Speak English or Die」ですから。
英語話せない奴は死ねって言ってる訳です。

あと「Fuck the Middle East」なんて曲があって、この歌詞が凄い。

BEIRUT, LEBANON-Won't exist once we're done
LIBYA, IRAN-We'll flush the bastards down the can
SYRIANS and SHIITES-Crush their faces with our might
Then Israel and Egypt can live in peace without these dicks

他国を名指しで批判した歌詞に対して、リアルにクレームを受けたらしい。
このアルバムが売れてしまったことが多分本人達にとって予想外だったんだと思う。
多分ここまで売れると思ってなかったから、軽はずみでこんなこんな曲作ったんじゃないのかな。


まあ、色々あるけどS.O.D.はハードコアパンク、スラッシュメタルが好きな人は、
絶対に聴いておくべきアルバムだと思う。歴史的意義という点と単純にかっこいいという点で。

自分は80年代のハードコアパンクをもっと漁っていこうと思う今日この頃。


B00004NRW9Speak English Or Die (Platinum Edt)
Sod
Megaforce 2000-02-22

by G-Tools



Stormtroopers of Death 「March Of The S.O.D.」「Sargent "D" & The S.O.D.」
このライブ、マジで凄い。スコットほんとかっこいい。ビリーは凄い高さからダイブしてるし。
観客からして不穏極まりない。伝説のライブって、こういうのを言うんだろうな。

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

No title

捕鯨さん、こんにちは!

メタルはパンクから、に賛成!私もそう思います。
SOD、聴かなくてはですね。
捕鯨さんの考察、シュレッドしてつなぎ合わせる感がパズルのようで結構好きです^^

Re: No title

S.O.D.は聴くべきですよー。聴いていてスカっとします。
物凄い影響力のあったバンドですし。

もっと流暢に文章書ければいいんですけどね。
書きながら考えまとめてるところがあるんで、だからあんな文章になってしまってるんだと思います。
プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
FC2カウンター
Twitter...A

hogeisendan < > Reload

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。