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BRAHMAN 「霹靂」

結構有名な話だと思うけど、こんなニュースが出ていた。
原発事故当時、官邸の支持を待たずして、所長が独断で海水注入を継続したという記事。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111227/dst11122700060000-n1.htm

その決断は結果的に正しかったと思われる訳だけど、相当な極限状態の中で下したその判断は、
僕なんかが想像も出来ないくらいに重いものだったに違いない。
官邸の指示を無視するというリスクの重みって、生半可なものではなかったはず。

今回の事故の総括が終わっていない段階で、
軽はずみにその行動を賞賛することは出来ないと思ってはいるんだけど、
でもその信念に基づいた判断に対して、僕は感銘を覚える。
(一面的な報道内容から判断しているので、新事実の発覚により、感想は変わるかもしれないけど)
原発事故の被害を食い止める最善の選択は何か、考え抜いた上での決断だったんだと思う。

仮に自分の立場に置き換えたとき、そのような決断が出来るか。
はっきり言って、僕には出来ないと思った。
自分が正しいと思ったことを、自らが責任を負った上で、リスクを背負った上で、
行動に移せるのだろうか。

ここに自分の課題を見た気がした。
キーワードとしては、自らの判断基準の明確化、だと思う。

原発事故の現場においては、二つの判断基準があったように思う。
・事故の悪化を食い止めることが最優先である。
・リーダーである官邸の指示に基づき行動することが最優先である。

後者は否定的に捉えられるかもしれないけど、これは全く正しい価値観だと思う。
あまり良い例えではないけど、軍隊において、リーダーの命令は絶対である。
戦争という極限状態において、服従という行為なくして、命は守れない。

切迫した状況であればあるほど、指揮系統は一本化し、絶対的なリーダーの指示に基づき、
全ての人間が行動すべきであるというのが、僕の考えである。

しかしながら今回の件において、リーダーである官邸の考えは、
「検討中だから待ってほしい」、結論の保留であった。であるからこそ、
時間の猶予はないと見た現場は、前者の「事故の悪化を食い止めることが最優先である」
との判断基準に基づき、独断での海水注入という行動に至ったんだろうと思う。

その判断基準の背景にあるのは、放射能の被害を最小限に食い止めなくてはいけないという、
現場所長としての責任感であったり、使命感であったり、そのような価値観だったんだろうと思う。

何よりも優先されるべき自分の価値観、そして倫理、信念とは何か。
そこが明確な人であれば、きっと極限状態で迷いが生じたとしても人は決断出来る。
まだまだ自分の判断基準は明確化されていない。その背景にある、強固な価値観、倫理、信念がない。

陳腐な言い方をするのであれば、自分には「人間力」が足りない。
まだまだ知らなくてはいけないことが多すぎる。考えなくてはいけないことが多すぎる。
年末だから言うけど、自分の来年の課題は見えている。

何よりも優先されるべき自分の価値観、そして倫理、信念とは何か。
僕はそれを明確化していきたい。
そこが明確化されれば、必然的に自分が目指すべき将来が見えてくるんだと思う。

本来はそういうことを高校時代とか、大学時代に済ませるべきなんだろうけど、
ガキだった自分には無理だった。だから、これからやらなくてはいけない。


今年の世相を現す漢字が「絆」という報道があった。
すごく美しい言葉だと思うけど、僕は薄っぺらいと思った。
今の日本に「絆」という言葉が相応しいなんて、死んでも思えない。

「絆」という言葉を当てはめるのに相応しい人間が多数いることを、僕は認めている。
でも僕は今年ほど人間に不信感を感じた年はなかった。
この期に及んで自分のことしか考えない馬鹿がいる。そんな悲しさも感じた。

ひょっとしたら自分も「馬鹿」側かもしれないし。
そうは思いたくないけど、でも自分の行動を省みるに、そうなのかもしれないと思ったりする。

とにかく僕は、今年一年で日本人同士の「絆」を感じました、なんて言う人間にはなりたくない。
申し訳ないけど、そう思う。


震災という出来事があって、まだ生を受けている自分と向き合い、
自分がやるべきことは何かということを振り返る機会が増えた。

生まれたから生きるのであって、生きること自体に意味なんてない。

自分が大学時代に結論付けた価値観は今も変わっていない。
でも、自分が生きた爪痕をもっと生々しく刻み付けたい。
そして、その爪痕は、自分をこれまで生かしてくれた全てのものに対する恩返しであるべきだ。

そんなことを昔よりも強く思うようになった。

もう今年も終わりだなー。
色んなことがあったけど、不幸なことがあった人に対して申し訳ない言い方になるけど、
今年も楽しかった。来年はもっと楽しい年になればいいなと思う。いや、する。


一応、音楽のブログなので、Brahmanのことを書いておく。

3.11以来の彼らは、決して本質が変わったとは思わないけど、変わった。
表層的な面で言えば、ライブでMCするようになったし、アンコールをやらなくなった。
被災地に救援物資届けたり、復興支援活動に携わったりと、社会的な活動に取り組むようになった。

彼らのそのような活動に啓蒙されて、被災地に対して何か出来ないかと、
考えるようになったファンって結構多かったんじゃないかと思う。

僕はそういった彼らの活動を凄いなーって思いながら記事を追いかけていたけど、
先月の幕張でのライブを観るまでは、その変化を直接的に実感することはなかった。
でもライブを観て、彼らの意識は変わったのかもしれないけど、本質的な部分は、
きっと変わってはいないんだろうなということを実感した。

トシロウのMCから転載。
http://ro69.jp/live/detail/60467

たとえ無理だってわかってても、負けるってわかってても、
絶望じゃねえよ? 闘志が湧いてくんだよ。カッコつけて言ってるわけじゃない、
懸命に生きたいだけだ。生きてる限り、迷うんだろう、失うんだろう。
それでも……、BRAHMAN始めます!

こんなこと言って許されるんだから不思議だ。
あのライブの空間で、僕はトシロウのMCに聞き入ってしまった。
でもこれって彼らが昔から掲げていたテーマであって、震災があったから出てきた言葉ではない。
そのテーマが、彼らがやるべきと考えた行動、と結びついたことは変化点なのかもしれないけど。

今年ぐれぇ、利益とか利潤とか、そんなの追っかけなくていいじゃねえ?
今年ぐれぇ、喧嘩してる手止めて、握手したっていいじゃねえ?
今年ぐれぇ、人のこと罵ってんじゃなくて、人の哀しみに寄り添ったっていいじゃねえ?
今年できたんなら、来年もできんじゃねえ?

少なくとも、あの瓦礫の街に火が灯って、もうちょっと安心して暮らせるまで、
そんぐれぇ、いいんじゃねえ?

彼らは生きることに纏わる苦悩を音楽に対して込めて発信してきたバンドだと思うけど、
このMCに関しては、外向きというか、今までのライブではあまり感じられなかった「何か」を感じた。
優しさ、とか、慈しみ、とか、そんな感じの。

あんだけ激しいライブやってきて、ハイスタ絡みのMCで笑い取った後に話した内容だけど、
不思議と浮くことなく、連続的にすんなりと受け止められた言葉だった。

言葉尻だけを捉えれば偽善的に見てしまう人もいるかもしれないけど、
トシロウの言葉の重みは、凄かった。
会場中の人達、各々がそのメッセージを全身で受け止めていたように思う。
本気で何かに向き合っている人には、説得力が宿る。そう思った。

ライブのラストは「霹靂」。
この曲の照明、映像、そして演奏が渾然一体となった力には圧倒されていた。
身体を動かすのも忘れて、ステージに見入っていたのを思い出す。

ラストにはエンドロールが流れて、被害を受けた被災地の様子、
被災地での彼らの活動の一環が映し出されていて、それがまた凄くいい内容だった。
ハイスタの出演がなかったのは残念だけど、でもこのライブに来て良かったと実感していた。

年明けには何と初めてというeastern youthとBrahmanの対バンが実現。
これは絶対観たいということで、チケットは確保済み。
まだまだこのバンドとの付き合いは長くなりそうだ。


B0058FA3MW霹靂【通常盤】
BRAHMAN
トイズファクトリー 2011-09-07

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BRAHMAN 「霹靂」

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

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捕鯨さんこんにちは!
ブラフマンのライブレポとても嬉しかったです。
そして、うらやましいっ

「絆」の件ですが、
私も全く同じ気持ちでいたので
とても共感しながら読ませていただきましました。
捕鯨さんがおっしゃる通り、
どこもかしこも、「絆」「絆」で、
あの震災で失われた尊い命を思うと
..そんな薄っぺらいもんじゃ表せないだろ!って、
ずっと私も言いたかったです。
以前、どなたかが、
「美しい国日本」とかいうスローガンを掲げたことがありましたが、
その時と同じような
耳障りだけ良い、しらじらしさを感じてしまったのでした

本当に大事なことは、
どんなに小さくても実際に行動をおこすことであり、
言葉や上辺だけの思いはいらないと私も思います。

でも、なかなか行動におこせない自分もいて..
矛盾してますよね
私も、まだまだ人間力不足です..。

今年、捕鯨さんのブログに出逢えたことを心から感謝しています。
これからも楽しみにしています!

来年が良い年でありますように...




Re: タイトルなし

今年もよろしくお願いしますー。

新党の名前に「絆」って見たときは衝撃でした。バカだなーって。
昔のプロレスみたいに、狙ってやってるって信じたいんですけど。
言葉の流行って怖いですよね。自分が好きな言葉が汚されていくのは切ないです。

>本当に大事なことは、どんなに小さくても実際に行動をおこすことであり、
>言葉や上辺だけの思いはいらないと私も思います。

行動することが一番大事っていうことは同感です。
どんなに素晴らしい考えを持っていても、その考えに基づいて発信することなければ、
世の中に対しては意味ないですし。

正月に、とあるテレビで報道見ていましたが、
自分より若い人達が復興に向けて活動を継続している姿を見て、
改めて自分がやるべきことって何だろうと再考させられました。

僕は彼らのようにはなれないと思いましたが、
一国民としてやるべきことはやろうという想いを改めて抱きました。

結局「逃げ」の発想になってしまうのですが、
自分がやるべきことは何かを考えて、それをやるしかないんだと思います。
僕はそれは周りの評価ではなく、自分の尺度で判断したいと思っています。

改めて、今年もよろしくお願い致します。
プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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