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Chthonic 「Broken Jade」

遅ればせながらChthonicの新作『Takasago Army』について。

前作『Mirror of Retribution』では既に、ブラックメタルをベースに台湾的なテイストを取り入れた
彼ら独自の音楽を作り上げていた訳だけど、
アルバムからの先行公開となった「Takao」を聴くに、
前作の路線はかなり推し進められ、台湾的なテイストがかなり強まった印象だった。

ちなみに僕は勝手ながら、Sepulturaの『Chaos A.D.』『Roots』のようなアルバムを期待していた。
スラッシュメタルという、既に確立されたジャンルの枠内で自分達のスタイルを築いた上で、
自らの民族的なルーツに重きを置いて、大胆にブラジリアンテイストを取り入れ、
世界的に大きく反響を呼ぶようなアルバムを作ったのが、彼らだった。

Chthonicの場合、出発点はブラックメタルで、徐々に台湾的なテイストを強め、
『Mirror of Retribution』に至って、一つの完成をみたという印象。

『Takasago Army』では更にどのような進化を見せてくれるのか。
僕はかなりの期待を込めて、このアルバムと向き合った。


インストゥルメンタルの「The Island」でアルバムは幕を開ける。イントロの笛の音は尺八かな?
テーマが高砂義勇軍だけあって、日本的なテイストを打ち出したのかなと感じる。
MettalicaのライブSEである「Extacy of Gold」にイメージの近い重厚な曲。
ストリングスの音色が否が応にも期待感を煽っていく。

そして「Legacy Of The Seediq」へと繋いでいく。
どっしりとしたイントロの後に、Aメロからいきなり疾走する。
相変わらずの切れ味の演奏。ダニのドラムが凄まじい。

サビのところでは急激に曲調を変えて、メロディアスに聴かせる。
かと思えば、琴の音が導入されて、かなり目まぐるしく展開が変わっていく。
アルバムの冒頭の掴み、としてはかなりいい曲なんじゃないかと思う。

続くのは既に何回もリピートした「Takao」。CDで聴くと、やっぱり迫力は段違い。
疾走パートもあるけど、このバンド、かなりミドルテンポの演奏に、相当な迫力が増したと思う。
前にも書いたけど、この曲、フレディのボーカルが光ってる。
中盤から終盤にかけての展開は、エモーショナルという表現がぴったりで、本当に素晴らしい。名曲。

「Oceanquake」はキーボードがフィーチャーされた曲。
サビのところなんて、モロにソイルワークっぽいと思った。
メタルコアっぽいギターリフもあるし、今までの彼らに無いような曲調の曲。
申し訳ないけど、僕が彼らに期待していたのとは、ちょっと違うかな…ってのが僕の感想。

「Southern Cross」は一転して、かなり激しく刻むギターリフが印象的な曲。
この曲のギターはかっこいい。元々ジェシーは上手いギタリストだったけど、
かなり難易度が高そうなギターリフを切れ味鋭く弾き切っている。

この曲には他の曲にはあまりないギターソロが入っていて、
ツインリードのメロディアスなギターが弾ける。
かなりクサいアレンジであるけど、戦場に向かう戦士の決意と示すようで、かっこいい。

「KAORU」はこのアルバムのハイライトともいえる曲。
かなりシンフォニックな要素が強い。彼らのルーツであるブラックメタルの名残もかなり感じる。
二胡や琴の音も大活躍してドラマチックなアレンジに仕上げている。
従来より彼らが得意としている曲調の曲。

驚きは終盤に唐突に導入される、台湾の演歌歌手?の歌声。
かなりコブシの聴いた歌声にびびる。その後に飛び出すフレディの絶叫とのコントラストが面白い。
思いの他にこのパートは浮かずに上手く曲と溶け込んでいると思う。名アレンジ。

「Broken Jade」はこれまた彼らの得意な三連ミドルテンポの泣かせるナンバー。
ツインリードのギターリフがかっこいい。途中からはいつものように疾走していくんだけど、
キーボードのアレンジがこの曲は好き。

そして驚きは、ラストでのあの「玉音放送」をアレンジに取り込んでいるところ。
放送をバックに絶叫するフレディのボーカルが凄まじい。
哀しみ、怒り、絶望、あらゆる感情をぐちゃぐちゃにして吐き出したかのような、絶叫。

この曲は太平洋戦争の終焉を示す曲なんだけど、
ラストの終わり方は見事にその歴史的事実とシンクロさせることに成功していると思う。
この曲も名曲。

「Root Regeneration」は一転してインストゥルメンタルナンバー。
水の流れの音に、セデック語の語りが物々しさを煽る。

「MAHAKALA」もシンフォニックブラックって感じの曲調。
相変わらずテンションは高くてかっこいいんだけど、
ちょっと同じような曲調が続きすぎかな…、という印象。
終盤にかけてドラマチックに盛り上げていくアレンジは相変わらず素晴らしいんだけど。

「Quell The Souls In Sing Ling Temple」も、これまたシンフォニックブラック。
ただ、中盤にはかなり伝統的なメタルっぽい手法を用いて、
これまたクサいアレンジではあるけれども、ドラマチックに盛り上げていく。
ツインリードのギターがこの曲でも気持ちいい。

でも実際この曲で描いているのは、新たな侵略者である国民党軍との最後の戦いに挑む、戦士の姿。
そういった姿が目に浮かんでくるような曲。
余韻を残すことなく、高速で駆け抜けて、アルバムは締めくくられる。


アルバムを何回も繰り返して聴いたけど、自分にとってこのアルバムは、
期待通りの出来栄えではあれど、期待以上ではなかった。
『Mirror of Retribution』を更に深化させた音楽ではあるけれども、
従来の彼らの枠を超えた音楽であるとは感じなかった。

僕が彼らに求めていたのは、相当レベルの高いものだったみたいである。

ただし、本人達が語っているように、
このアルバムは『Seediq Bale』Mirror of Retribution』と続く三部作の締めくくり、
との位置づけであり、だからこそ彼らもあくまで従来の枠組みを重視した上で、
新たなテイストを付け加えるようなアルバムに仕上げたのかなーって詮索したり。

いずれにしても本作『Takasago Army』にて、彼らの音楽は「完成」の域に至ったことは間違いない。
このアルバムが世界的にどんな評価を受けることになるのか、僕は楽しみである。
正当な評価を受けた上で、世界に進出してもらいたいバンドの一つ。


ちなみに、今回の感想ではこのアルバムのストーリーや歌詞については触れなかったけど、
間違いなくこのアルバムは歌詞を見ながら、そして彼らのインタビューを参照しながら、
聴き込んでいった方が良いと思えるアルバム。

僕は歌詞を読みながら、このアルバムのストーリーを思い浮かべながら音楽を聴いて、
このアルバムに賭けた彼らの情熱は間違いないということを感じた。
ここまで真剣に歌詞に向き合おうと思うバンドって、
メタルってジャンルに限定すると、殆どないんじゃないのかな。


明日はChthonicのライブ。

出張も無理やり一日伸ばして、夕方からの打合せも別の日に変更させてもらって、
そこまでしても行きたいと思ったバンドのライブ。

彼らにとって初の日本におけるワンマンライブでもあるし、めちゃめちゃに盛り上がりたい。
明日はテンション上がったら久しぶりにモッシュピットに突入しようか、くらいに思っている。
それぐらいに、凄いライブを見せてくれると、いいな。


あと、全然関係ないけど、ツイッター始めようと思います。
ブログの更新が滞り気味で新鮮な感想が薄れていくのが嫌なのと、
フジロックなんかで使えたら面白いかなーなんて思ったので。

こちらもユーザー名は「hogeisendan」です。
長続きするか分かりませんが、こちらの方も付き合って頂けると嬉しいです。


B004YVWJ6OTakasago Army
ソニック
ハウリング・ブル・エンター 2011-07-06

by G-Tools



Chthonic 「Broken Jade」

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

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プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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