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Chthonic 「Takao」

最近Chthonic(ソニックと読みます)というバンドにハマっている。

去年Loud Parkに出演して、相当盛り上がったというのを知っていたし、
今年の7月に来日することも知っていたけど、
最近の僕はブラックメタルというジャンルの音楽を聴く体力がもうないということで、
このバンドも今までちゃんと聴くことなく、スルーしてきたバンドだった。

とはいえ、彼らのニューアルバムが7月に発売されるということで、
先駆けて新曲「Takao」がアップされていたので、初めて彼らの音楽を耳にすることになった。

衝撃だった。

ここまで情念とか怨念とか、悲哀といった感情を感じられる曲を作るバンドって、
しばらく僕は出会っていなかった気がする。
そして、こんなバンドがまた台湾から飛び出してきたってのがまた衝撃だった。

すごいアルバムタイトルとジャケットなんだけど、
彼らのニューアルバムのタイトルは『Takasago Army』。日本語にすると、高砂義勇軍。
太平洋戦争で日本と共に闘った台湾の原住民による部隊のこと。

アルバムの紹介
http://www.werockcity.com/2011/05/33974.html

高砂義勇軍(wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%A0%82%E7%BE%A9%E5%8B%87%E9%9A%8A


『Takasago Army』というタイトルが冠せられているように、
このアルバムでは、日本軍として戦争を闘った台湾の先人達を描いているとのこと。
ベーシストのドリスはインタビューで、その点についてコメントを残している。

以下、抜粋。

“Takasago”は日本統治時代の台湾の古称で、“Takasago Army”は、
その当時に戦った勇敢な兵士のことなんですけど、
このアルバムはウーバスっていうセディック族の青年に焦点を当てて
ストーリーを描いているんですね。

ウーバスの祖父は元々日本軍に反対の立場にいた人で殺されてしまうんですけど、
ウーバス自身は太平洋戦争に徴兵されて前線に赴かなければいけない立場にいて、
先住民としての葛藤もあるし、日本の兵士として戦わなければいけないっていう使命もあって。

そういう葛藤を抱えながら戦地に赴いて勇敢に戦ったっていう勇敢さとか、
心の強さみたいなものにも焦点を当ててみたかったんです。

http://gekirock.com/interview/2011/06/chthonic.php


正直、日本人の僕としては重いテーマではあるんだけど、
台湾人が描く過去の歴史に対し、正面から向き合うということは、きっと有益なことだと思う。

彼らって過去に霧社事件を描いたアルバム『Seediq Bale』を制作しているし、
反日バンドのように思われてしまうかもしれないけど、
彼らは決してそんな浅はかな考えで音楽を制作している訳ではないと、僕は確信している。

東日本大震災が起こったとき、彼らは多額の義援金を日本に対して寄付してくれているし、
更にチャリティーTシャツを作って、その売上げの全額を寄付してくれている。
彼らの日本に対するコメントも、凄く誠意を感じる。

ボーカルのフレディは日本のマンガが好きみたいで、
来日したらマンガ喫茶に篭ることもあるみたいだし、
彼らが主催する台湾のロックフェスFormoz Festivalには日本のバンドをブッキングしたりしている。

彼らが望むのは、過去の歴史を取り上げて、互いにいがみ合うことなんかではなくて、
過去の歴史を事実として互いに見つめた上で、
どのような関係を築き、どのような未来を互いに作り上げていこうか、という前向きな指向なんだと思う。

歴史というものは、事実は一つしかない。
まずは歴史の捏造を暴き、正しい歴史を互いに見つめること。
そしてその歴史について、一方的な視線ではなく、複数他眼的な視点で評価を行うこと。

そのような観点で歴史を評価すれば、
今も課題として残っている他国との歴史認識問題なんてのは解決できるんだと思う。

すごく単純なことだと思うんだけど、ただし歴史認識ってのは
既に政治的な外交カードになってしまっているのが課題で、
これが問題を複雑にしていることは間違いない。

少なくとも僕みたいな一市民レベルでは、
正しい歴史認識、複数他眼的な歴史評価というものを心がけたいと、切に思う。


「Takao」は台湾人が出兵したとされる港「高雄」のこと。
PVではイントロからいきなり日章旗、そして琴の音色が衝撃的。
日本製の戦闘機がリアルに登場し、戦場に向かう兵士と恋人の物語を描いていく。

中盤から後半の展開は素晴らしいの一言。
ゲストボーカルとして台湾の大物演歌歌手を招聘した、台湾語による力強いメロディ、
民族楽器「二胡」によるソロも素晴らしい。

フレディの悲痛なボーカルがとにかくグイグイと曲を引っ張っていく。
この曲における彼のボーカル、本当に素晴らしいと思う。

いきなりリードトラックにこんな曲を持ってこられたら、
ニューアルバム、本当に期待せざるを得ない。


ちなみに『Pandemonium』『Mirror of Retribution』は買って聴いてみて、
そのクオリティの高さに驚いたんだけど、
「Takao」を聴く限り、今回のアルバムは更なる高みに至っているんじゃないかって期待。

恐らくEmperor、Cradle of Filthのフォロワーとしてキャリアがスタートしたバンドだけど、
台湾の民族的要素を取り入れて、彼らにしか想像し得ない、
完全にオリジナルな音楽を創造していることを期待する。

Sepluturaの『Roots』のような、世界的に影響を与えるアルバムになってほしい。
お世辞ではなく、演奏力も作曲能力も、バンドが醸し出す雰囲気も、
もうアジアって枠を超えたバンドになっているんじゃないのかな。


B0055542XGTakasago Army
Chthonic
Spinefarm Records

by G-Tools



Chthonic 「Takao」 PV

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

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No title

検索でたどり着きました。ほんとに素晴らしいと思います。言葉が出ません。
自分なりに結構勉強してここに流れているコンセプチュアルは理解したつもりなんですけど、一箇所まだよくわからないところがあるのですが、大変恐縮ですが、教えていただけませんか。
TAKAOのPVに出てくる青年はウーバスだと思うのですが、4:00のところで、じいさんとウーバスが映るところで、2人とも軍服のワッペンが人民解放軍なのですが、そこは何でなんでしょうか?あれは日本軍に反対して殺された祖父なんでしょうか。突然の質問および初歩的な質問ですみません。

Re: No title

コメント頂きましてありがとうございます。
自分も色々と調べてみたのですが、申し訳ありませんが、答えが出ません。。。

確かに2人とも軍服のワッペンは人民解放軍のもののように思えます。
しかしながら、それでは『Takasago Army』のストーリーと齟齬をきたすのが事実です。
ウーバスにとって人民解放軍は、将来の敵であるはずなので。
仮にウーバスの祖父だったにせよ、当時において人民解放軍は無関係なはずですし。

全く初歩的ではなく、大変難しい問いだと思います。
てか、よく気付きましたね…。そこまで丹念にPVなりストーリーなりを
読み解かれているという点、自分なんかよりもよっぽど理解が深く、感服します。

時間がかかるかもしれませんが、自分よりもChthonicについて深く理解している方に、
質問出来る機会があるかもしれませんので、
その際には是非御解答させて頂きたいと思っています。

ニューアルバム楽しみですね!
プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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