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The Airborne Toxic Event 「All At Once」

2009年のフジロックで偶然出会ったバンドThe Airborne Toxic Event。
彼らのライブに衝撃を受けて、家に帰ってCDを買ってハマってしまったバンド。

そして彼らのセカンドアルバムがいよいよ発売ということで『All at Once』を購入。
前作のセールスが芳しくなかったのか、日本盤の発売は、残念ながら、無し。
ということで、このアルバムは日本では全くといい程、話題にはなっていないみたい。

とはいえ、このアルバムはアメリカにて好調な滑り出しを見せているようである。
全米で15位に初登場でランクインという記事が。
前作の素晴らしさもさることながら、地道にライブを重ねてきた結果というのが出ているのかな、
ということが感じられて、かなり嬉しい。
http://skream.jp/news/2011/04/adele6.php

『All at Once』はファーストで築き上げた彼らの音楽の土台はそのままに、
時代の空気感も取り入れながら、スケール感を何倍にもしたような名盤に仕上がっている。
期待感90%、不安感10%で聴き始めたんだけど、1曲目からもう期待通りの出来で、
ほんと期待に応えてくれてありがとうって気持ちで、感激しながら聴いていた。

あんまりデビューしたてのバンドに入れ込む経験って僕はあまりなかったんだけど、
このバンドに関しては、本当に素晴らしい出会いだったと思う。ほんと感謝している。


西海岸はカリフォルニア出身のバンドだけど、UKロックの香りを感じさせる、湿り気のあるロック。
最近Rockin'onでアメリカのインディーバンドの特集が組まれることが多くなったけど、
このバンドもそうした音楽の括りにカテゴライズされるバンドなのかなって気がする。
僕自身あんまりそこらへんのバンド、ちゃんと聴いたことないからよく分からないんだけど。

今回のアルバムでもそんな時代の空気感を取り入れるかのような、
シンセの音使いであったり、打ち込み風なドラムの音作りであったり、を聴くことが出来る。
シングルカットされた「Changing」は、そんな彼らが打ち出した新機軸とも言えるような曲だと思う。

とはいえそれらはあくまでエッセンスであって、基本的な雛形は前作と全く一緒。
美しいメロディと、それを引き立たせる美しいアレンジ。
僕にとって似ていると思うバンドって、やっぱりU2だった。

インディーロックという世界の中で、決してマニアックな方向に走る訳ではなく、
スケール感の大きなロックをやっていると思う。

アルバムの冒頭を飾る「All at Once」は彼らの名刺代わりともいえる曲。
前作での名曲「Sometime Around Midnight」と曲展開が同系統で、
いきなり彼らの世界観に引きずり込んでいく。

このバンド、静と動の使い分けが素晴らしいと思う。
序盤に感情を抑えながら徐々に盛り上げて、中盤から終盤にかけて一気に感情を爆発させるような構成。
否応なしに彼らの音楽に引きずり込まれていく。

彼らにはクラシックの素養があることが特徴であって、
緻密に計算されて曲作りが為されていることが感じ取れるんだけど、
ロック的な衝動や切実さと言うものが感じ取れるのが、またこのバンドの魅力だと思う。
クラシックのように鑑賞する音楽というより、やっぱり全身で受け止める音楽。

マイケルのボーカルにも説得力が増しているというのも、特筆すべきところだと思う。
ライブを重ねて世界を回ってきた経験が、彼の紡ぎだす美しいメロディに、
新たな彩りと、艶というものを添えているのではないかと思う。

このアルバムには捨て曲というものが一切ないのが凄いところなんだけど、
その中でも聴き所というものがしっかりと配置されている。

冒頭の名曲「All at Once」に続く、時代の空気感をまぶした彼らなりのポップソング「Numb」。
組曲風に繋げられドラマチックな展開が素晴らしい、MUSEっぽさも感じられたりする
「The Kids Are Ready to Die」「Welcome to Your Wedding Day」。

クリーントーンのギターの音色がたまらなく気持ちいいギターロック「Strange Girl」、
そしてアルバムのクライマックスというに相応しい、ビオラをフィーチャーした
きっとライブでもクライマックスになるであろう「All I Ever Wanted」。

特に中盤から終盤にかけてのアルバムの構成は最高だと思う。
ここまで完成度の高いアルバムって、僕はしばらく聴いたことがない。
名前の売れている色々なバンドのアルバムに対しても、十分に勝負できる会心の名盤だと思う。

このバンドの弱点はビジュアル面だけだと思う。
マイケルを初めとして、申し訳ないけどメンバーに華がないのが残念なところ。
今作からシングルカットされたPV見てみたけど、
やっぱり野暮ったさというものがどうしても感じられてしまった。

でもフジロックで観た印象からすると、
アンナを初めとして、ライブではやっぱりミュージシャンとしての色気が感じられた。
きっとライブを重ねることによって、彼らの雰囲気というものは、
彼らの作っている音楽に相応しいレベルに、自然と引き上げられていくであろうことを僕は感じている。

彼らに必要なのは、まずは音楽的な成功だと思う。

ここまでのバンドが多くの人に聴かれずに消えていくのは本当に勿体無い。
『All at Once』がアメリカでもイギリスでも売れて、日本でも無視できなくなって、
日本盤が発売されて、日本でもライブ出来るようになってほしいというのが、僕が望むシナリオ。

絶対このバンド、日本人好みだと思うんだけどなぁ。
自分が音楽業界にいたら、絶対に売り出したいと思うようなバンド。
まずはamazonにレビュー書いてみようかな…。


B004MUD790All at Once
Airborne Toxic Event
Island 2011-04-26

by G-Tools



The Airborne Toxic Event 「All At Once」 音のみ


The Airborne Toxic Event 「Numb」 PV


The Airborne Toxic Event 「All I Ever Wanted」 音のみ

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

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非公開コメント

全くもって同感です

はじめまして、BS12の番組「i-Concerts Special」でライブ映像みてから、彼らのファンになりました。
そして、アルバムレビューは、全くもって同感です。
楽曲の構成がすばらしいですよね。
コード進行が絶妙。ギターサウンドも、特にGOOD。

彼らのライブに行きたい。「日本人好み」ですよね。売れて欲しい。

Zeppクラスでやって欲しいですね。狭い箱は、似合わないですね。

Re: 全くもって同感です

こちらこそはじめましてー。

ほんとこのバンド、セカンド出したばっかりのバンドなのに、完成度高いですよね。
メジャー感あるけど、決してコマーシャルな訳ではなく、
しっかりと彼らの世界観の表現を押し出していて、表現者って感じがします。

すごく「日本人好み」なバンドだと思うんですけど、日本で人気がない。
なんでなのか僕は本当に謎です。アメリカで売れ始めているインディー系ロックなんて、
日本で売れそうなんですけどねー。

広い箱が似合いそうなのは間違いないんですけど、僕はZeppとは望まずに、
小さなライブハウスから日本への足がかりを作ってほしいと思っているんですけどね。
ほんと、日本に来てほしいバンドの一つです。

お互い普及活動頑張りましょう~。

No title

RADIO94.7のライブ映像が、you tubeに、UPされていました。26分
他のアクトも含め、RADIO94.7の着眼点が、ツボです。

ギターの親指が包帯してあるのが心配ですが・・・
アンサンブルという、単語がしっくりくるバンドです。
スネアとフロアで、あれだけロックできるものなんですねぇ。

インディーロック最高。

Re: No title

動画観てみましたー。ご紹介ありがとうございます。
こういうアコースティック主体のセットでも、彼らの魅力が発揮されてますね。
個人的に「Changing」のアレンジが好きでした。

> スネアとフロアで、あれだけロックできるものなんですねぇ。
確かに、かなり味のあるノリが出てますよね。
ディストーションの衝動ではないけど、静かに熱く、ロックしてますね。

でも改めて動画見直すと、やっぱり渋すぎるんでしょうか。
日本で売れない理由が、そこくらいしか思い浮かばないんですけど。

お互い日本のファンとして、じわじわと普及活動に励みましょうねー。
いいもの紹介して頂いて、ありがとうございました。

ご報告

11月にボストンへ彼らのライブを見に行くことが決まりそうです。
(メインは、NBAとNFLの観戦で、それに絡めてですが)

あとは休みの調整です。一応、ご報告をしておこうと思い、メッセージ送りました。

Re: ご報告

まじっすかー。すげーうらやましいんですけど。
どれくらいのハコなんでしょうか。
本国では結構売れてるみたいなんで、そこそこのキャパのライブハウスなんでしょうね。

ぜひぜひライブ行かれた際には、ご報告を聞かせてほしいです。
休みの調整うまくいくといいですね!

ハマる

今のところ一番このバンドが好きです。今の邦楽とは変わった展開がありバイオリンとギターの相性があっていて何回聴いても飽きません。trainも聴いていますが、このバンドしか聴かないことが多いです。特にWishing wellが気に入っていて美しいキーボードが気持ちいいです。新曲もだしてほしい。

Re: ハマる

僕も最近のバンドだとこのバンドが一番好きです。
何で日本で人気がないのか本当に不思議です…。

ヴィオラとギターが上手く融合されていて、ほんと唯一無二ですね。
僕も全然飽きません。
「Wishing well」自分も好きです。

新曲もどんどん出してほしいですけど、僕は同時に「来日」が希望ですね。
プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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