スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Going Steady 「童貞ソー・ヤング」

何だかんだ子供の頃から、僕はずっと本が好きだった。
一番よく読んでいたのはやっぱりとにかく時間が有り余っていた大学生の頃。
その頃は、大学の講義の教科書よりも、小説や哲学の入門書ばっか読んでた。

自分、理系人間なんだけど、興味ははっきりと文系の学問にあることを当時は自覚していた。
一時期は本気で転部や自主退学を考えていたくらいに。

月日が経って社会人になって、何だかんだで僕の興味は別の分野にシフトしてきて、
政治、経済を取り扱った新書を買って読むことが増えたので、
小説は時々読んではいたけど、頻度は格段に落ちた。

でも小説をあまり読まなくなった理由ってのはやっぱりあって、
どうしても自分が求める小説というか、自分の感性に合っているような作家に
出会えなかったというのが大きい。

正確にいうと、現代を共に生きる作家という意味で。

太宰治、堀辰雄、夏目漱石、芥川龍之介、川端康成。
全部の著作を読んでいる訳ではないけど、僕はここら辺の作家がとても好きで、
結局色々と読み漁っていても、これら昔の文豪の方々の文章の方が、
自分にとって感銘を受けることが多くて、何か読もうと思うと、ここら辺の作家に帰ってきてしまう。

伊坂幸太郎、東野圭吾、石田衣良、宮部みゆき、石田衣良、舞城王太郎など、
現代の人気作家の小説ってやっぱり面白いんだけど、
やっぱなんかこう、自分の感性とちょっと違うというか、
胸の奥底をえぐられるような、読後の衝撃というのが、あまり感じられない。僕の場合。

ただ、例外的に村上春樹は凄いと思った。悔しいけど。
作家とは何も関係ないんだけど、経験的に周りで村上春樹好きな人間は、
どうも僕と合わない人が多かったので、
そこらへんが残念なことに、作品にどっぷりと浸かれない要因になっていたり。

そんな日々の中、今週立ち寄った本屋でたまたま出会った本があった。
入間人間の『バカが全裸でやってくる』。

4048688197バカが全裸でやってくる (メディアワークス文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス 2010-08-25

by G-Tools


後から調べてみたら、この人かなり売れている作家みたいだけど、僕は知らなかった。
タイトルと本裏に書いてあるあらすじを読んで、これは面白そうだと思って、購入。

明日のためにもう寝なくてはいけないと思いながらも、とにかく面白くて、
結局夜遅くまで起き続けて、勢いで読み終えてしまった。
更に読後にもう一度サラッと読み直しまでしてしまうくらい。

各章の登場人物の設定がとても魅力的。壊れすぎない程度に、自由。
よくありがちな手法ではあるけど、
一見バラバラな物語が実は繋がっていることを明らかになっていく展開に惹かれ、
僕はこの物語の世界観にどっぷり浸かってしまった。

小説と全裸。一見関係のないキーワードが結びついて、
自分の人生と夢、そして才能という、人間にとって普遍的な課題について、
自分を各登場人物に投影させた上で考えさせられてしまうような、切ないトーンの物語。

あっさりしているけど、変幻自在の言葉紡ぎが、その切なさをよく引き立てている。
3章なんて小説という手法でしか描けない世界。凄く引き込まれた。

僕みたいな人間が作品を中途半端に語ることが作品の価値を上げるなんてとても思えないので、
そんなことはやらないんだけど、
ここまで長々と自分と小説との立ち位置について書きながら作品を持ち上げていること自体に、
何かしらの意味はあるだろう、そう思ってここまで書いてみた。


僕が居酒屋の入り口になんの経緯もなく注目した直後。
居酒屋の扉が力強く蹴り倒される音と、芯の一本通った伸びのある悲鳴が響き渡る。
事件と不安と絶望と、ほんのちょっとの好奇心をくすぐる非日常の音。
そして日常を覆う肌色が押し寄せる。

『そいつ』は、
『僕の前』に、
『全裸』でやってきた。


これ、ほんとにいい文章だと思う。

人間は服を着る。自分の何かを守るために、自分の何かを隠すために。
日本で生きていくためには、そうしなければいけない。本当は望んでいないのかもしれないのに。
僕はこれまでの人生で、どれだけの人の前で裸になれたんだろうか。


入間人間って自分より全然若いんだけど、かなり僕の心を掴んでいる。
ようやく同時代を生きる人間で、自分の感性を共有できる作家を見つけられたという感覚がある。
すごく嬉しい出会い。

どうも『バカが全裸でやってくる』は入間作品の中でも、イマイチと評価する人も多いみたいで、
だったら尚更他の作品はもっとすげーのかよって期待感はある。
一方で、他の作品はあまり好きになれないって危険性もとても高いんだけど…。

ま、これからポツポツと本を買って読み進めていこうと思う。


文学や音楽に限らず、人間の歴史の中で育まれてきた多くの芸術は伊達ではなくて、
はっきりいって現代の人間は創作活動なんかしなくても、
先人達の残してくれた作品に向き合っているだけで、はっきり言ってお腹いっぱいになれると思う。

でも、現在に生きる我々は、現代に生きる創作と言うものを渇望しているのもまた人間の事実。

何だろう、やっぱり同時代を生きる人間が生み出したものを、
同時代で共有したいって思うのが、人間の性質だからなのかな。よく分からない。
時代を超えた名作、であっても、
同時代を生き抜く人間同士だからこそ感じられる感受性があるのは事実だと思う。

自分が生きているこの時間の中で、よく分からないけど何かが変わるかもしれない、
何かを変えられるのかもしれない、新しい価値観が生まれるのかもしれない。
そんな瞬間に立ち会いたくて、人間は創作活動をし、創作品を求めるのかもしれない。

いずれにせよ、自分の価値観や感性、生き様を投影させることが出来るような、
そんな創作家との出会いは幸せなことであると思う。
創作家にとっても、その作品を共有出来る人間がいてくれてこその、創作である訳だし。
例えそれが1%の人間であっても。


僕にとって、同時期に生きていてくれて良かったと思えるミュージシャンがいる。
特に銀杏BOYZと野狐禅と、昔のバックホーン。
歳もかなり近いし、文字通り、同じ時代を生き抜いてきた人間達。

自分なんかよりよっぽど凄い生き方をしていて、羨望の気持ちはあるけれども、
決して嫉妬の気持ちは無い。あまりにも彼らと僕は、違いすぎると思うから。
自分を卑下するわけではなくて、各々に与えられた使命を果たすための道は、
各人に与えられている。そう思うから。

少し錆付いた僕のアンテナの感度をまた上げて、新しい世界を見なければいけない。
そう思った今週の出来事。


B000066O1V童貞ソー・ヤング
ミネタカズノブ GOING STEADY
UK.PROJECT 2002-06-12

by G-Tools



Going Steady 「童貞ソー・ヤング」
この曲を初めて聴いたときは衝撃だった。こんなこと歌うバンドが出てくるなんてって。
ちょうど僕が研究室に配属された頃に出た曲で、本当によく聴いていた。
この曲を聴くと、今でもあの頃のことを、思い出すことが出来る。

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
FC2カウンター
Twitter...A

hogeisendan < > Reload

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。