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Metallica 「Nothing Else Matters」

Sonisphere Festivalでのメタリカのライブのこと。

サブステージで行われていたメガデスのライブが終わり、一通りの余韻が一巡すると、
メインステージからはメタリカコールが轟き始めた。
まだ開始まで30分近くあるのに、PAの後ろ側まで観客で埋まり、既に空気は出来上がっていた。

メタリカを待つ間、雨が降ってきた。
多くの人は雨具など持っていないので、数少ない屋根のある場所に避難を開始し始めた。
僕もレインウエアを来て、ちょっとした木々の茂みに入り、一人じっと時間が過ぎるのを待っていた。

しかしながらそんなシビアな状態であっても、
ステージの方からは突発的にメタリカコール、そして手拍子が沸き起こっては消えていく。

午前中から観客のTシャツ観察していたけど、バンドT着ている人の殆どがメタリカTシャツだった。
実際にも一番ファンが多く、待望されていたのはメタリカであった。
早くもライブが始まる前から、そのただならぬ期待の空気が高まっていく様を、
例え遠くからであっても感じることが出来た。

SEがAC/DCに切り替わった。これはライブの開始が近いことを示す合図である。
僕もステージの方に再び向かい、最後方に近い位置で、ステージを望む。
観客の上方には汗が上気して形成された、白い靄が煙っている。

そして会場は暗転し、おなじみのSE「Ecstacy of Gold」が流れる…。

この瞬間の大歓声、今でも思い出すことが出来る。
モニターに映像が流れ、ようやく陽が落ちた漆黒の闇の中に、荘厳なメロディが響いていく。
最後方であっても周りには、メロディに合わせて歌う人、多数。

そして流れたのは「Creeping Death」のイントロだった…。
この瞬間の大歓声と、僕の身体の中に走った戦慄を、これまた鮮明に思い返すことが出来る。

全然場違いな海外のフェスの中で、ようやく自分の中の感情が、
隠すことなく、余すところ無く、溢れてきた瞬間だった。
なんてかっこいい音なんだろう。ギターとベースとドラムの音。
とんでもないスケール感で、メタリカの音は僕を襲ってきた。

リフに合わせて頭を振る。
もうどうでもよくなって、日本でのライブのように、一心不乱に音に身を委ねる。
前方の観客は拳を振り上げて、これまた凄い盛り上がりを見せていた。
日本のライブでは絶対見ることない、花火と発炎筒が観客の中を彩っていた。

もう1曲目からただならぬ盛り上がり。これが海外のライブか…、と興奮した。
英語が公用語に近い国だけあって、サビは当然のように歌っている。

ギターソロが終わって「Die!」の掛け合いは、早くもライブのハイライトのような光景だった。

続いて間隔なしに演奏されたのは、「For Whom The Bell Tolls」「Ride The Lightning」だった。
どちらの曲もイントロが流れた瞬間に大歓声。僕も興奮の声を上げていた。
BIG4のライブという空気を読むような、初期曲のオンパレード。
っていうより、頭三曲はなんと全て『Ride The Lightning』からってことです。

しかし「For Whom The Bell Tolls」のイントロはいつ聴いてもかっこいい…。
高音のベースのメロディに、どっしりとしたドラムが絡み、
そしてクラシカルな雰囲気も携えたギターのメロディが絡んでいく…。

ミドルテンポの曲に合わせて、これまた頭を振る人、多数。
「Ride The Lightning」はライブで初めて聴いたけど、
これもまた曲の展開がたまらなくかっこ良くて、メタリカの真髄を見る気がした。

ライブではおなじみのヘヴィな曲「Harvester Of Sorrow」を挟んで、
続いて演奏されたのがこれまた『Ride The Lightning』から「Fade To Black」!

序盤からなんなんでしょうか、これ。
唐突に始まった名曲に観客もどよめいているようでした。
しかし、この曲はとにかく夜の山の中というシチュエーションが映える曲だった。
エンディングのギターソロの感動的なメロディは、本当に美しく、漆黒の山中に消えていった。

個人的にメタリカの最新アルバム『Death Magnetic』はあまり好きではないので、
新曲よりも昔の曲が聴きたかったんだけど、このタイミングでデスマグからの曲をやっていた。
正直ライブで化けるって曲でもなかったなぁ…って印象を持ったけど、観客は凄く盛り上がっていた。
日本ではどうなんだろ。

新曲をやった後にジェームスがMC。

今日は歴史的なBIG4のライブの日であり、勿論全てのライブの日は特別なんだけども、
やっぱり今日という日は特別な日だ。
Anthrax、Slayer、Megadeth、そしてスタッフ、俺達を支えてくれた全ての人たちに感謝したい。

こんなことを話していた。会場は感動的な雰囲気に包まれ、大拍手と大歓声が沸き起こる。

『Load』を出した頃、その発言と音楽性の変化から、
メタリカはもう支えてくれるファンなんてどうでも良くなったんだ、
売れてしまえば人間的にも変わってしまう、メタリカも一緒だったんだ。

こんなことを言われていた時期もあったけど、
実際ブラックアルバムを出してからは、迷走気味なアルバムを作り続けてはいるけれど、
ファンに対する感謝の気持ちはずっと変わっていなかったと信じられる。

何よりそのジェームスのMCを受け止める観客の反応が、その事実を雄弁に語っているような気がした。

そんなMCの後にジェームスが一人で「Sad But True」のサビを歌う。
観客もそれに合わせて、一緒に歌う。

凄くいい光景だと思った。メタリカって本当に愛されているバンドだなって思った。

続いて演奏された「Welcome Home (Sanitarium)」も良かった。
これもメタリカの叙情性と攻撃性を存分に味わえる名曲。
この曲は中盤から後半にかけてギターのメロディと共に曲が一気に展開していくところがかっこいい。

デスマグから演奏された「Broken, Beat And Scarred」は曲はさておき、
演奏中はスクリーンに観客の映像がひたすらに流れていた。

最前方の観客、殆どの人がジェームスに合わせて歌っている…。すげぇ。
英語を直感的な言語として理解できるかできないかの差を感じた。
やっぱ英語分かる方が曲への思い入れも違うよな。

再びステージは暗転し、スクリーンには戦争の映像が。
そして戦闘機の爆撃音に合わせて、ステージで爆発音と共に、花火が打ち鳴らされる。
始まったのはこれまた超名曲、「One」…。

まさに野外ならではの演出に、ため息を覚えるほどだった。
とにかく美しい。それでいてシリアスなメッセージ。
メタルという音楽に芸術性が備えうること。
恐らくメタル史上初めて一般的に認められた、メタリカの名曲。

クライマックスに至るまでの曲の展開の見事さといったらなかった。
この曲も野外で聴くことによって、僕にとって特別な意味を感じさせた。

これまた続くのが超名曲「Master Of Puppets」。
ライブの定番曲ではあるんだけど、この曲のリフは何回聴いてもかっこいい。
ジェームスのあのダウンピッキングが、正に鋭利な刃物のように、暗闇を切り裂いていく。

ただこの曲には唯一不満を抱いて、というのもロバートのベースの音作りだった。
低音ゴリゴリ過ぎて、中間部の叙情的なベースラインが台無しになっていた気がする。
あそこはギターの音色に合わせて、もっとクリーンで抜けの良い音にして、
メロディを引き立てて欲しかった。あそこの部分のベース、本当に素晴らしいんだから…。

と、そんなこんなでライブも終盤の雰囲気。
唐突に始まったのは『…And Justice For All』のイントロを告げるSE。
そう、「Blackened」です!

僕はこの曲がめちゃめちゃ好きなので燃えた。この曲のギターリフ、めちゃめちゃ好きなんだよな…。
裏にアクセントを置いた、それまでのメタリカにはなかったリフ。
ラーズのドラムもリズムキープよりも勢い重視で、とにかく走りまくってて、かっこ良かった。

この曲では、まさに会場も大爆発といった感じだった。
サビではみんな拳を上げて、歌って、頭振って、って感じだった。

個人的にこの日のライブにおける一番のハイライトは、次に演奏された「Nothing Else Matters」だった。

この曲はライブでの定番曲で、今までのライブでも観ているんだけど、
この日聴いたこの曲は、とにかく段違いの素晴らしさだった。

イントロで絡みあう2本のクリーントーンのギターのメロディ。
ジェームスとカークの指先一つ一つから、あの美しい音色は紡がれていた。

遥か遠い日本の地から、やってきてしまった自分。
僕はこの曲を聴いているとき、ステージを観ることはなく、放心状態で座り込み、
夜空と薄暗くて輪郭しか見えなくなった、山々の稜線をただ見つめていた。

あの時の自分には、この曲のメロディが自分を支えているように思えた。
この時の心境はとにかくぐちゃぐちゃで正直よく覚えていないんだけど、
とにかく今日はやっぱり来て良かったな。そう思っていた。

音楽の力ってやっぱりあるみたいです。上手く言葉に出来ないけど、そういったものを感じた。

これまた定番の「Enter Sandman」でライブの本編は終わった。
この曲でも、とにかく大合唱が起こっていた。

アンコールではカバー曲である「Breadfan」やって、「Motorbreath」をやってくれました!
この曲もライブで初めて聴いたけど、パンクっぽい疾走感を感じた。

メタリカのファーストって今聴くと、すごくラフな演奏とアレンジで、パンクっぽい感じがする。
本人達もメタルとパンクのルーツを公言しているし。
あれだけ歳を取って、あれだけビッグなバンドになっても、
そういったパンクっぽい青臭さを演奏から感じることが出来たのは意外だった。

しかしいい曲だよなー。やっぱりメタリカはファーストも伝説だな。

ライブのラストは「Seek & Destroy」だった。
これまたライブではおなじみのコールアンドレスポンスが響き渡る。

「Seek & Destroy」を聴きながら、僕は会場を去った。
僕は車で会場に来ているわけではないので、終電に乗らなければいけない。
この後にサプライズあるのかもしれないけど、それはそれでいいと思った。

(実際この曲でライブは終わりだったみたいなので、ギリシャの人たちには申し訳ないけど、
 後でちょっとホッとした。)


実はライブ終わって駅に向かう途中、ライブの余韻に浸る余裕は無かった。
終電乗り過ごしたら、自分どうなるか分からないので。実際かなり危なかった。
駅着いて3分くらいで電車来た。

その後も駅着いてタクシー乗ろうとしたら、乗り合いにさせられてしまって、
雰囲気の悪い道通り始めて、どこか連れて行かれるんじゃないかって恐怖を感じたりした。

ホテルに入ったらビールがぶ飲みして、無事に帰ってこれたことに本当に安心して、
全く余韻に浸ることなく、泥のように寝た。


今振り返ると、あのライブ、本当に一生に一度の体験だったと思う。
あのライブが今後の僕の人生に対してどのような重みを持つのか、今は全く分からない。

でもあーやって精神を削りながら、すがるように聴いて感じる音楽。
あの時間、あの空間だから感じることが出来た音楽が、確かにあった。

そう考えると、やっぱり行って良かったんだろうと思う。


ちなみに、あのライブを観てしまったので、日本公演も行かないといけないと思ってきた…。
メタリカのライブ、観たことない人はおすすめしたいです。


(セットリスト:2010/6/24 Athens, Terra Vibe Park)
Creeping Death
For Whom The Bell Tolls
Ride The Lightning
Harvester Of Sorrow
Fade To Black
That Was Just Your Life
The End Of The Line
Sad But True
Welcome Home (Sanitarium)
Broken, Beat And Scarred
One
Master Of Puppets
Blackened
Nothing Else Matters
Enter Sandman

(Encore)
Breadfan
Motorbreath
Seek & Destroy


Metallica 「Nothing Else Matters」 2009年のLIVE

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

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No title

こんばんは。

いやあ、カッコイイですねえ。Nothing Else Matters。
最初のカークハメットのステージ上の挙動がカッコよすぎです。ギターの音色も美しくて、
ジェイムズのボーカルもシブくて最高です。

>終電の話
フジロックとかもそういうイメージがあるのですが、
やっぱりフェスの環境がシビアな方が体験としての喜びってあるんでしょうね。
一度僕も海外でライヴを見てみたいです。海外未経験者としてちょっと恐怖もあるんですが、
そういうのがあった方が思い出を深くすると考えると、俄然行ってみたい気持ちが強まりました。

Re: No title

「Nothing Else Matters」かっこいいですよね。
メタルって枠を超えた普遍的な何かが宿っているような気がします。
この曲のカークとジェームスのギターの絡み、めちゃめちゃ好きなんですよね。

>フジロックとかもそういうイメージがあるのですが、
>やっぱりフェスの環境がシビアな方が体験としての喜びってあるんでしょうね。

うーん確かにそれはあるかもしれません。

去年の観たベストライブ挙げるなら、フジロックのオアシスと、
サマソニのナインインチネイルズなんですけど、
どちらも雨という心に余裕の無いシチュエーションが、
自分の気持ちを狂わせて、音楽がより魔力的に聴こえたというマジックがあったかもしれません。

あとはシビアな環境っていうより、自然の中で聴く音楽の素晴らしさってのもあると思います。

ただ、本文でも書いてるんですけど、海外のライブって僕は疎外感を感じたので(された訳ではなく)、
ライブの感想は個々の価値観に委ねられると思います。
僕は海外のアーティストでも、日本でライブ観るのがやっぱりいいなーって思いました。

でも、一度観てみるのは絶対いいと思いますよー。
こんな僕ですが、Green Dayはアメリカで一度観てみたいなーって思ってます。
プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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