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野狐禅 「鈍色の青春」

引越しがほぼ終わった。
部屋探しをしてから2週間。あっという間に色々あって、
今、新しい部屋で、初めての夜を過ごしている。

金曜の夜から今まで、ほんとに慌しかった。
引越しに対する高揚感を感じている余裕は無く、目の前にやるべきことを、
ひたすら合理的にこなし、身体を動かしてきた。

しかしながら、そんな無感情な引越しの最後に、印象に刻まれたことがあった。


新しく住む部屋の荷解きがほぼ終わり、暫定的なレイアウトが出来た状態で、
部屋を掃除するために、古い部屋に戻った。

もうこの部屋に入ることはない、と分かっていながらも、対した感情の高ぶりもなく、
迫り来る時間におびえながら、淡々と掃除を続け、とうとう部屋は空となった。

そして心の中で、じゃあな、とつぶやきながら、
玄関のドアに鍵をかけようと振り返って、もう一度、空の部屋を眺めた。


そのとき、身体に戦慄が走った、確かに。
過去の自分が、この部屋で生活している様が浮かんでは、消えたような。
あれはいつの日の自分だったんだろう。

もう一度、僕は部屋に入って、部屋の電気を付けた。
そのとき、初めて僕は感傷的な気分を覚えた。一抹の寂しさ。


僕は、古い部屋に3年半住んでいたことになる。
それはちょうど社会人2年目から今に至るまでの期間。

この部屋に住んでいくにつれ、僕の心はどんどん荒んでいった。
初めてこの部屋に入ったとき、僕は会社での生活に対して、希望に満ち溢れていた。

上の人が知っていて自分が知らない知識があることがたまらなく嫌で、
あの頃はほんとによく調べ物をして、勉強をしていた。受験勉強してた時代のように。
会社で発表がある前は、土日まるまるパソコンに向かうなんてこともザラだった。

いつしか時が経つにつれ、自分だけではどうにもならないことがあることを知ってしまった。
上司と設定した目標に対して、その目標を達成すればそれでいいと思ってた。
そんな目標に対する結果というものは、もっと上の人たちの意向で、
いくらでも意味がなくなってしまうことを知ってしまった。

現実の会社生活は、学生生活に想像していた以上に、厳しかった。
要するに昔の僕は理想を振りかざす、青二才だった訳である。


そんな中で自分は何をすべきか。悩み考えた。
何回も何十回も会社を辞めようと思った。
でも僕が出した答えはシンプルだった。

まずは現実を知ろうと。今の会社で、現実というものを知ろうと、思った。
会社における現実。社会における現実。広くは、資本主義における現実。

製造業という業種は、そういった現実というものがよく透けてみえます。
次のステージで闘うのに、現実を自分なりに理解することが、今自分がすべきことだと考えた。
次のステージが今の会社なのか、もっと別な組織なのかは分からないけど。

そんな感じで会社生活を続けることで、大分気持ちは楽になってきた。
この不況下における、上層部の人たちの決断を見ることが出来たのは、大きな収穫でした。
そういった決断に対して、自分ならどうする、と問いかけながら、
日々を過ごすことは大いなる勉強になったことに違いはありません。


そんなこんなの生活と共にあった、部屋。
この部屋では、大して良いことはなかったけど、特に悪いこともなかった。
でも、やっぱり去ることに対しては、寂しさがあった。

僕が部屋を去るときに、過去の自分の姿を見るような気がした、と先に書いたけど、
それはこんな問いかけだったように思えてならない。

今の自分は、昔の自分に胸を張って、なりたい自分になっていると言えるのだろうか、と。

なかなか痛い問いである。
なんともいえない思いを抱き、僕は部屋の鍵を閉めて、古いアパートを去った。


新しい部屋に来て、今、野狐禅を聴いている。
札幌での大学院時代、さんざん聴いていた曲を、聴いている。
そして、昔の自分に恥じないような自分でありたいと、思うのである。

野狐禅の曲には、自分ではとても口には出せない言葉を、
彼が代読してくれているような感覚があった。

彼らの曲を聴いていると、昔の自分と会話しているような気になる。
彼らの音楽と、僕の青春はリンクしていたのである。
札幌を去る直前も、僕は彼らの曲を聴いていた。

今日から新しい生活。未来は不確かに、進んでいく一方である。
やるしきゃねーな。


カーテンからはみ出した夕日の真赤
このわびしい直方体をまっぷたつにぶったぎっていくさまを

しばらくは黙って見つめていたのですが
とうとうこみあげてくる感情を抑えきれなくなり
私にとってもはや禁句とさえ思えるその一言を思わず口にしてしまったのです

鈍色の青春
生きてもないのに
生きてもないのに死んでたまるか


B000Y1GCHU鈍色の青春
野狐禅
ビクターエンタテインメント 2007-12-19

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プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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