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奥田民生 「さすらい」

台風直撃情報があったので、ある予定がキャンセルになった。
そこで暇を持て余すのも嫌だったので、一人ふらっと車で出かけてきた。
ほんとに何にも予定を決めず、月曜の夜に家を出た。

八王子まで出て、そこから西へ。
あとは看板とか道路地図見ながら、面白そうな方向に進むのみ。
そして腹が減ったら食べて、眠くなったら寝て。生理的欲求にも誠実に。


巡り巡って辿り着いたのが南アルプスの麓。

そういやここらへん桃が有名だから、
どっかで買って親元に送ってやろうなんて頭で車を走らせていたら、
桃の直売をやっているらしき人達とテントを発見。

車から降りて売り物をじっと見つめていると、主人が桃を切って勧めてくれた。
主人が切った桃を豪快にかじって食べた。

うまかった。

この日はめちゃめちゃ暑かったのと、何だかんだで疲れていたこともあるけど、
それを差し引いても、明らかにうまかった。

これうまいっすわー、なんて言いながら、早速5kg分の注文を入れたら、
主人は喜んでくれて、どんどん僕に桃やらプラムやらを出してくれた。
多少なりとも恐縮の感があったけど、キズものだからいくらでも食っていいよー、
なんて言葉に甘え、むさぼるように食べた、ほんとに。


すっかり感激していた僕であるが、
そんなこんなしているうちに、主人と奥さんの勧めもあって三人で座ってお茶をすることになった。

色々な話を聞いた。

主人と奥さんは8月中はずっと路上に立って、車で通りかかる人相手に桃の直売をやっていること。
直売を始めてもう4年目になること。
1年目はテントのようなものは無くて、ダンボールハウスのような体で、店を開いていたこと。

収穫は主人の両親が主にやっていて、息子夫婦が直売を担当していること。
家族4人で仕事をしているけど、年収は合計でちょっと高給なサラリーマンレベルだということ。
最近就農ブームだけど、実際にやっている側から言えば、とても勧められるものじゃないということ。

最近はやっぱり景気の影響なのか、一人当たりの購入量が減っていること。
何となく、だけど、暗い顔した人が増えたということ。


僕も会社の話とか、大学時代の生活や旅の話とか、都会の生活の話などをした。
主人と奥さんは僕の話を興味持って聞いていてくれたようだ。

特に盛り上がったトピックスは、都会の生活、田舎の生活について。
それぞれが思う、都会の良さと悪さ、田舎の良さと悪さについて、語って、
互いに羨ましがりながらも、結局どちらも悪くねーな、なんて結論に落ち着いたり。

他人の庭は良く見える、なんていうけど、これは誰に聞いても本当のことだ。
人間って、自分が持っていないものを持っている他人を羨むものらしい。
自分だって他人が持っていないものをいっぱい持っているであろうことに関わらず。


それと、「もの」の進化と旅のスタイルの変化についても語り合った。
今は携帯でネットが出来るから、どこ行くにせよ、自分で完結できる。
つまり地元の人の情報なり、助けが無くても旅が出来てしまうということ。
僕もそうだったけど、かつては地元の人に尋ねて、おすすめの飯屋なり行き先を決めていたこと。

「もの」の進化によって便利になるのは文句なしに素晴らしいことだけど、
人同士の触れ合いという側面が、「旅」の中から抜け落ち始めているのではないかということ。


主人と奥さんは、僕が言うことに対して共感してくれたり、理解をしてくれたりする一方で、
自分はこう思うとか、昔の自分はこうだったとか、別な立場からの意見をくれた。
それが僕にとって本当に心地良かった。

異なる境遇の人間同士が語り合うことで、より自分の置かれている境遇を理解することが出来る。
そんな大事なことすら出来なくなっている自分に気付いた。
実は旅先で現地の人と語り合う経験は、本当に久しぶりだったのである。
社会人になって精神が削られて、余裕がなくなって、知らず知らず心が閉じていたのかもしれない。


気付いたら1時間以上も話し込んでいた。
僕は覚悟を決めて、また出発すると切り出した。

本当は去りたくなかった。ずっと話していたかった。
でも僕はここの人ではない。都会の人だ。いつかは去らねばならない。

主人と奥さんは僕にお土産として大量の桃をくれた。
そしてこれからの旅に対する気遣いと、また来てくれよという言葉をくれた。
二人は僕を、手を振りながら見送ってくれた。


人間の生き方に正解はない。
どんな場所でも、どんな環境でも、必死に生きている人たちがいる。

今自分が置かれている環境は、不可抗力があるにせよ、
少なからず自分が選択した結果の反映である。
現状をただ嘆くのではなく、現状の中で何が出来るのか、
自問自答の中で行動できる人間でありたい。

おみやげで貰った桃を旅先でかじるたびに、胸がいっぱいになった。


家に帰ってきて、聞いた曲。奥田民生の「さすらい」。
大学時代、この曲が好きだった。

寝袋と着替えだけ持ってヒッチハイクしたり、18切符で一人旅をしていたときのこと。 
旅をしながら自分の生き方についてあれこれ悩み苦しんでいたこと。
そんなことを思い出した。


さすらおう この世界中を
ころがり続けてうたうよ 旅路の歌を

まわりはさすらわぬ人ばっか 少し気になった
風の先の終わりを 見ていたらこうなった
雲の形をまにうけてしまった

さすらいの 道の途中で
会いたくなったらうたうよ 昔の歌を


B00005G7A6股旅
奥田民生
ソニーレコード 1998-03-18

by G-Tools



奥田民生 「さすらい」



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ジャンル : 音楽

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No title

いい時間をもててよかったですね。

Re: No title

いや、ほんといい時間過ごせたなーって思います。

記事で書いた出来事って、全部偶然の積み重ねで起こってるんですよね。
台風が来なかったら、僕が夜中に出発しなかったら、南アルプスに向かわなければ、
桃を買おうと思わなければ、地元の方々と話そうと思わなければ、
全て起こらなかったことです。

そういった偶然の積み重ねが、計画性のない旅の面白いところです。
旅絡みだと、久しぶりにいい体験したなーって思いました。

ちなみにちょっと一人旅に出ようって思ったのは、『Into the Wild』観た影響も大きいです。
あそこまで切実ではないですけど、何か行動したいって気持ちになったんですよね。
紹介してくれてありがとうございましたー。

No title

そうだったんですか・・・
原作本をすすめられて、今読んでいるところでした。

先日、機内でみた映画ですが
Last chance Harvey なかなかよかったです。
ちょっと昔懐かしのストーリーなんで、どうかな。

Re: No title

原作本、僕も時間見つけて読もうと思ってました。
彼が旅に出て、アラスカの地で一人生活して、何を見て、何を考えたのか、
少しでも触れてみたいなと思ってます。

「Last chance Harvey」、ストーリー読んでみましたが面白そうですね。
ただ、これ日本語字幕版出てないんですね。
字幕なしで理解できるほど英語力無いんで、辛いところです。 

でも観てみたいんで、少し様子見てからDVD入手してみたいと思います。
今まで紹介してもらった映画、全部良かったんで。
これからもよろしくお願いしますねー。

No title

こちらこそ、いろんな音楽を紹介してもらえてうれしいです。
それにしても 休み明けの連日出勤はつらいですわ。
完全な逃避ですね。

Re: No title

休み明けつらいですよね。そして身体が慣れて現実に戻っていくのもつらいです。

ブログ開設されたんですね。更新楽しみにしてます。
勝手にリンク貼らせてもらいますね。
プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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