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Chthonic 「Defenders of Bú-Tik Palace」

自分は元々新譜というものは、本当に好きな数少ないバンドのものしか買わない。
まだまだ自分には聴かなくてはいけない歴史的なアルバムというものが沢山あるし、
ある程度評価が固まったアルバムを聴く方が外れを引く可能性も小さいと思っているからである。

金のなかった若かりし頃、音楽を自由に聴ける時間が減った社会人生活の今、
いずれの立場においても、それは合理的な選択であり、それは間違った行為だとも思っていないし、
実際それで数多くの素晴らしい音楽との出会いがあった。

そういった合理主義者である自分にとっても、
例えどんな内容であろうとも、絶対にニューアルバムは
発売日に即買いすると決めていたバンドがあった。

今自分がヘヴィメタルとカテゴライズされるバンドの中で最も好きだと言えるバンド。
メタルの枠を超えても、少なくとも5本の指に入ると思える大好きなバンド。

かつて伊藤政則氏がJudas Priestの『Stained Class』のライナーでこんなことを言っていた。

ジューダスプリーストよ、僕は歩兵でいい。喜んで最前線に切り込んで行こう。
今更遠慮てするなよ。かまうことはない、
この僕の体を踏み越えて、さあ栄光の王冠を握ってくれ。
君たちの栄光は僕の誇りでもあるのだから。もう僕は君たちにこの身の全てを委ねた。

勿論自分なんかとは立場も関係の深さもレベルが数100倍は違うんだろうけど、
でもこの文章のバンド名をそのまま置き換えてしまいたいバンド。

僕にとってそんなバンド、Chthonicのニューアルバム『Bu-Tik』を今日聴いた。

このアルバムに関しては一切情報を絶っていて、
ストーリーも世界観もアルバム制作における諸々なんかも一切分からない。
当然先行音源も聴いていないし、PVも見ていない。

ひょっとしたら色々と理解していくうちに感想は変わるんだろうけど、
発売日当日、正にその時の自分の感想を書き留めておくことに意味があると思うので、
書いておくことにする。


アルバムのジャケットはデジパック仕様での質感の影響はあるにせよ、
今までのアルバムとは異なり、非常にすっきりとしたデザインとの印象を受けた。
モデルの女性の肌の白さ、髪の白さが、
メタルといえば黒、という観念が刷り込まれた自分の目には新鮮に映る。

表ジャケには刀とロボットアームみたいな武器を装着した裸の女性。
裏ジャケには顔に機械が繋がれた、肩を露出してこれまた裸に思える老人。
そして中ジャケには全裸の赤子。

ジャケットに映る人々はみんな裸。その点がまず目についた。
どんな意味が込められたものなのか。

イントロの「Arising Armament」。
ほら貝のような音色で始まり、これまで以上に打楽器を前面に押し出したインスト。
アルバムのツアーではライブ前のSEになるんだろうけど、
今まで同様に気分を高揚させること間違いなしの曲。

続いて「Supreme Pain for the Tyrant」がスタート。
いつも通りに叙情的なギターとキーボードの音が印象的な曲。
でもボーカルが入ると共にギターリフとリズムがめまぐるしく展開していく。

個々のパートを取ってみれば分かりやすいんだけど、
そんな目まぐるしい展開ってのが、何気に今までにないタイプの曲だと思ったり。
ジェシーのギターソロはアクセント程度で難しいこと一切やってないんだけど、
凄くインパクトがある。

終盤にかけては民族楽器もふんだんに盛り込まれ、怒涛の展開。
いきなりの名曲。即効性は低いかもしれないけど、
自分にとっては非常にインパクトのある楽曲だった。

「Sail into the Sunset’s Fire」はツインギターのリフが印象的な、
非常に勇ましい男臭い曲。ライナーにヴァイキングメタル風とあったけど、
自分も同じ印象を受けた。でも決して単純なそれにはならず、なぜか台湾っぽいというか、
不思議と彼らがやると、土着的な台湾風の曲に聴こえてしまうんだから不思議。

フレディの歌がサビのところは、かなり歌っているように聴こえる。
いつも通りのガナリ声なのに。あの勇ましいキーボードのフレーズと共に。

「Next Republic」はイントロのギターフレーズがいきなりかっこいい。
続いてのリフがこれまたかっこいい。歌が入ってからもまたかっこいい。
かなりヘヴィでアグレッシブなんだけど、メロディの洪水。

でも雰囲気は一変して、いかにもモッシュ起こって、
ヘドバン起こってというライブの風景が目に浮かぶような展開。
このアルバムの楽曲、前作以上にアグレッシブなんだけど、
盛り込まれているメロディの量が前作よりも増えているように思える。

この点、ひょっとしたら賛否あるかもしれないけど、自分にとっては明らかに「賛」。
初聴のとき、4曲目の段階であまりのかっこ良さに感激すら覚えてしまった。

雰囲気は一転してバグパイプ調の音色で始まる「Rage of my Sword」。
どんな楽器使ってるんだろう。でもこの曲は実際相当にアグレッシブ。
今作はブラストないのかなとも思ってたけど、やっぱ入ってきた。短いけど。

この曲もフレディの歌唱が素晴らしい。前作も悲哀の表現という点では聴き所満載だったけど、
今作は更にスケールアップした印象。
きっと曲に込めた「想い」が彼を突き動かしているんだろうなと想像する。
ここら辺はもっと歌詞世界に入り込めば、また色々と解き明かせるのかもしれない。

ジェシーのギターがここでもかなり躍動している。ジェシーいいよー。

そして「Between Silence and Death」へ。
初聴で最もインパクトあった曲がこれだった。めちゃめちゃかっこいい。
ギターリフに関しては旧作の質感に近いんだけど、叙情的なサビのパートが本当に素晴らしい。

言葉では上手く言えないけど、一線を越えた美しさ。
シンフォニックブラックの叙情性に、彼ら特有の台湾テイストが融合し、
彼らにしか為しえない音楽の域に到達したかのよう。

ラストのパートではジェシーのギターが泣いている。
本当に彼はプレイヤーとして一皮も二皮も剥けた。
叙情的でありながら、そことなく明るさも感じられる音の選び方が本当に素晴らしい。

勿論バックの演奏もその叙情性の発現に対して、大いなる貢献をしている。
全ての楽器が渾然一体となった本当に素晴らしいドラマチックな展開。
アルバムのハイライトと言える超名曲。

そしてまた繰り広げられるアグレッシブな「Resurrection Pyre」。
音の壁が非常に濃密。そしてリズムパターンがめまぐるしく変わる曲なんだけど、
嫌らしさを感じさせずにさらっと聞かせてしまうのが彼らの真骨頂といったところ。

ジェシーのギターソロがこの曲もかなりかっこいい。
チョーキングを駆使していて、ちょっと今までとは違うソロの組み立て方をしているように思う。
ラストの合唱、そしてバックの音も相当に色々と重ねられていて、
正にクライマックスといった雰囲気を作り上げていく。

「Set Fire to the Island」は3月の来日公演にて演奏されていた曲。
当たり前のようにかっこ良かったんだけど、アルバムだとどんな風に聴けるのか楽しみにしていた。

作り込まれていると感じるこのアルバムの楽曲だけど、
この曲はその中でも最もストレートで分かりやすい曲のように思える。
ジェシーのギターがここでも大活躍。ジェシーのことばっか書いてる気がするけど、
実際そう感じるんだから仕方が無い。ギターソロは本当に素晴らしい。

ラストの女性ボーカル入ってくるパートにはゾクっと来た。

あっという間に実質ラストの「Defenders of Butek Palace」へ。
これもアグレッシブな楽曲。てか今回のアルバム、力で押し切る内容。一気に駆け抜ける。
完全再現なんてやられたら死んでしまうんじゃないの?

こういう音楽って、同じような曲調ですぐ飽きるアルバムってのが多いけど、
このアルバムは全然飽きがこない。色々な楽器の音が詰め込まれているからのように思う。

でもそれが決して過剰には聴こえない。
そのからくりについてはもう少し聴き込んでみて明らかにしていこうと思うけど、
でもこのアレンジのクオリティは凄いと思うよ、ほんとに。

ラストのフレディの絶叫はこれまた凄まじい。
女性ボーカル入ってきてからの展開がまたかっこいい。

アルバムのラストを締めくくるにふさわしい名曲。
てか今回のアルバム名曲だらけじゃん!

アウトロとして「Undying Rearmament」が挿入されて、終了。
ライナーにも書いてあったけど、これがイントロになっても確かにいける。
アウトロがループになってと。なるほど。

歴史は繰り返される。
凄く稚拙な書き方になるけど、人間の本質を追求したとき、
直面する出来事は、それである。

もっとこのアルバムのことを理解していく鍵として、
この点はしっかり押さえておかないとなと思う。


『Bu-Tik』を初め聴いていたとき、段々と自分の中に感激の気持ちが沸いてきた。
ここまで自分の期待に応えてくれたニューアルバムって、久しく出会ってなかったような気がする。
2000年代のアルバムには少なくとも感じたことなかったような気がするから(事後はあるけど)、
かなり貴重な体験をさせてくれたような気がする。

勿論、Chthonicのことが好きだから、余計なバイアスがかかっているのは承知している。
でも、明らかにこのアルバムは名盤だと思う。
彼らにしか作りえない、世界に通用するアルバムを彼らは作り上げた。

『Takasago Army』がリリースされたとき、当時僕は決して熱狂的なファンではなかった。
そのせいもあることは否めないけど、
僕はこのアルバムに「期待通りの出来栄えではあれど、期待以上ではなかった」
という感想を抱いている。当時書いてたブログに、はっきりとそう書いてある。

そうとはいえ、『Takasago Army』は、アルバムの中のストーリーにどっぷりと浸かって、
そしてライブでの体験を経ていく中で、自分の中での名盤という評価は固まっていった。

でも『Bu-Tik』の場合は、一発目から、これは凄い、これは凄いって、
明らかに気分を高揚させるものがあった。微妙な曲なんて一つもない。
全ての曲に自分は引き込まれてしまった。

自分がメタルに求めるもの全てがこのアルバムに詰まっているような気がする。
俺はきっとこんなメタルが聴きたかったんだろうな。

BURRN流に点数付けるなら99点。
感想が異なる人には申し訳ないですとしか言えないけど。

あと、普段日本盤なんて買わないんだけど、
『Bu-Tik』は絶対に日本盤買った方がいいです。

前田岳彦氏渾身のライナーノーツ。『Bu-Tik』を理解するのに、
絶対に助けになること間違いなしですね。
正直前田氏はもっと書きたかったんだろうなーという思いがひしひしと伝わります。
こういうライナー書いてくれるなら自分ももっと日本盤買うんだけどな。


アルバムの感想書いていて、
どうしてもジェシーとフレディのことばかり書いてしまったけど(好きなので)、
決して他のメンバーの演奏が微妙かというと決してそうではなくて、
ドリスもダニもCJもそれぞれも明らかにレベルアップしている。

ドリスとダニは本当にいいリズム隊になったなーと思う。
リズムに関しては、別に超絶フレーズ入れるようになった訳ではないけど、
明らかに前作よりも色々なことをやっているし、より切れ味が増して鋭利になった感じ。

音質面の向上って側面も大きいと思うけど、
リズム楽器がよりメロディアスに聴こえるようになったと思えるし。
中~高音域のベースの音はかなり好みだなあ。


とりあえず勢いに任せて感想を書いてみた。
稚拙ではあるけど、自分はプロではないし、これでいい。
本当にいいアルバム作ってくれて良かった。

それではアルバム4周目を聴くことにしよう。

早くライブでこのアルバムの曲聴きたいなー。
メンバーにもまた会いたいなー。


B00C1P3IC4Butik 武徳
ソニック
ハウリング・ブル・エンター 2013-05-29

by G-Tools



Chthonic「Defenders of Bú-Tik Palace」
初めてPV見たけど、何か格ゲーみたいだなw CJ強すぎだろ。
かっこいいけど、やっぱり単品よりアルバム通して聴いた方がかっこいいと思った。
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テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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