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中島みゆき 「世情」

久々に最後まで読むのが苦痛な本に出会った。
安田講堂に立てこもった当事者による、全共闘の活動の記録。

4121018214安田講堂 1968‐1969 (中公新書)
島 泰三
中央公論新社 2005-11

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別に文章が難解だとか、内容が面白くない、という訳でなく、単純に気持ち悪かった。
というのも、下記のトーンで終始一貫、記述が為されているからである。
「自分たちの行いは全てにおいて正しかった。それを当時理解できなかった世間が悪かった」と。

記録書としては間違いなく第一級の本なんだけど、
その記録の合間合間に当時に対する愚痴めいたコメントが挿入されてきて、
これが女々しい印象を与える。今でも怒ってるのは悪いことじゃないけどさ。

彼らくらいの歳ならば、なぜ全共闘による学生の運動が市民の支持を得られなかったのか、
など反省すべき点について少しくらい考察していてもいいものなのに。
運動の「観念論」化が、運動の広がりを妨げたんじゃないのかって個人的には思うんだけど。
全共闘がやったことは、全面肯定なんだからある意味凄い。

歴史的に学生運動というものは凄く意義あることだったと思うけど、
ある意味、全共闘の活動が一般の人々を「引かせた」罪は大きい。

本来、研修医の制度であったり、大学のあり方であったり、学生の自治であったり、
目標を共有しているはずの人間同士が「内ゲバ」で傷つけ合う異常な状況。
体制への抗議として始まった活動が、いつの間にか「暴力」が目的となっていく状況。

当事者から一歩引いて見た人間にとっては理解に苦しむところが多い。
彼らの活動の帰着点は「異常」な方向に向かい、とても共感を得られるようなものとは思えなかった。
実際に、全共闘の活動が将来に続かなかったということは「運動」の挫折を示していると思う。
行き着く先が日本赤軍の事件であった訳だし。

そりゃ若かりし頃に警察に対してゲバ棒持って立ち向かったってのは武勇伝だと思う。
でもそのやり方に対する反省は一切なしに、自分たちを全面肯定する。
まるでその後の世代の若者が「日和見」だとも言わんばかりに。
その無反省さが、今の日本に影を落としている部分があるのは間違いない。

自分はそう思う。

とはいえ、安田講堂の壁に書いてあったという落書きの言葉にはぐっとくるものがある。

連帯を求めて孤立を恐れず
力及ばずして倒れることを辞さないが
力尽くさずして挫けることを拒否する

彼らが純粋な想いから、日本を憂いて立ち上がったこと。
その事実に対しては、僕達の世代も絶対に敬意を払わなければならない。


最近自民党の総裁選があったけど、その後の雰囲気がなんとなく気持ち悪い。
首相でもない人間へのバッシングはテレビなどのメディアで始まってるみたいだし、
一方で、保守政治家の台頭に対する異常な賞賛はネット上で良く見かける。

色々なところに情報が錯綜し、世論を誘導しようとしている。
現代の情報戦。もう何が真実なのか訳が分からない。

真の意味で日本が「連帯」出来ることってもう二度とないのかな。

不謹慎な例えだけど、日本が今どこかの国から武力侵略を受けたとして、
日本国民が一枚岩になるかと言えば、そうは思えない。
こんなことも言いたくないけど、震災のときだって、保身とか利権を優先する人がいたくらいだし。

別に愛国心なんてものはなくたっていい。
ただ日本という国に生まれたことに対する感謝、日本という国を支えてくれた先人達への感謝、
そういったものはどんな人間でも持つべきだと思うけど。それがあらゆる行動の指針となるはず。
それを愛国心というのかもしれないけど。

なんか今、足の引っ張り合いばかり見させられているようで、居心地が悪い。
自分を含めた国民の側が、意見の相違はあろうとも、
幕末の志士とまでは言わないけど、もっと大局的な視点に立って、
将来を構想するべき時代に来ているんじゃないのかな。


最後、無理やり音楽に結びつけるけど、中島みゆき。

大学時代に中島みゆき好きな先輩がよく引き語りしていたので、その流れで一時期自分もよく聴いていた。
札幌時代に、中島みゆきが練習してたってスタジオに通ってたので、
身近な存在に感じていたってのもあった。

「世情」という曲は金八で有名な曲だけど、
抽象度は高いにせよ、かなりメッセージ性の強い曲。
学生運動をモチーフにして作った曲という説が強いらしい。

とはいえ現代に繋がる普遍性の強いメッセージソング。
自分には理解しきれない部分が大きいけど、ほんと深い。

「包帯のような嘘を見破ることで 学者は世間を見たような気になる」という歌詞。
自分も含めてドキっとする人は多いんじゃないかと思う。

「時の流れを止めて、変わらない夢を見たがる者たち」。
自分にとっては、彼らは世の中にはこびる既得権者を想像する。
でも体制に立ち向かう者達が掲げるのもまた「変わらない夢」。

凄く普遍的で思慮深い暗示だと思います。
反体制はまた新たな体制を作る、ということは、歴史の宿命なのかな。


世の中はとても臆病な猫だから
他愛のない嘘をいつもついている

包帯のような嘘を見破ることで
学者は世間を見たような気になる

シュプレヒコールの波、通り過ぎてゆく
変わらない夢を、流れに求めて
時の流れを止めて、変わらない夢を
見たがる者たちと、戦うため


B00005HVAY愛していると云ってくれ
中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ 2001-03-28

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中島みゆき「世情」
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テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

プロフィール

捕鯨船団

Author:捕鯨船団
1979年生まれ。
東京都町田市在住。
電子部品の技術開発に従事。

30超えにも関わらず、
楽器をドラムに替え、
学生時代以来のバンドを始めた
今日この頃。

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